バンダイナムコ、景気悪化でも中国に照準 「ガンダム」など日本アニメ空前のブームに
中国・上海市随一の観光名所「外灘(バンド)」にある商業施設「上海BFC外灘金融中心」。11月下旬、この施設の中庭と地下の一部は中国の若者の熱気であふれかえっていた。 【関連画像】著名アーティストが特別にデザインしたガンダムなどのアート展も開催 2024年11月22~24日に開催されていたのは「万代南夢宮嘉年華2024(バンダイナムコフェスティバル2024)」。バンダイナムコホールディングス(HD)が所有するアニメなどのIP(知的財産)を集結させた体験型イベントだ。23年3月に続き2回目の開催となる。 物販が中心だった前回からイベント内容を刷新した。「機動戦士ガンダム」や「ONE PIECE(ワンピース)」など人気キャラクターの世界観を体験できるとする「アトラクションブース」を新たに設けた。タッチパネルを使い素早くプラモデルを組み立てるゲームを体感できるガンダムブースなど、人気キャラクターとのコラボレーションを中心に9つのブースを展開した。 特撮キャラクターの「ウルトラマン」や「仮面ライダー」のヒーローショー、アニメの主題歌を担当するアーティストによるライブも開催した。「ガンダム」や「ブルーロック」とコラボしたフードトラックで特別メニューを提供した。 著名アーティストが特別にデザインしたガンダムなどのアート作品の展示会も開催した。バンダイナムコエンターテインメント上海の宮谷大樹・最高経営責任者(CEO)兼最高執行責任者(COO)は「オールバンダイナムコを体験できるイベント」と胸を張った。 一連のアニメなどの世界観をより深く体感できる取り組みは中国の若者の心をつかんだようだ。主催したバンダイナムコエンターテインメント上海によると、3日間の開催期間に5万人が来場したという。前回のイベント来場者の約1万人を大きく上回り、ひとまずイベントは成功裏に終わったと言えそうだ。 ●不景気でも日本アニメは大人気 中国で人気を博しているのはバンダイナムコのIPだけではない。中国では現在、日本のアニメなどのIPが「空前のブーム」となっている。 上海市内にあるショッピングモールの多くで、日本アニメなどのIPとのコラボが展開されている。「ポケモン」や「ドラえもん」などの長寿キャラクターに加えて、「SPY×FAMILY(スパイファミリー)」など比較的歴史の浅いキャラクターも人気を集めている。雑貨店大手の名創優品(メイソウ)が今年3月に「ちいかわ」とコラボした際には長蛇の列ができ、中国でも大きな話題となった。