中日ドラゴンズ2位指名・吉田聖弥投手、ドラフトで流した涙の意味とは...?期待の社会人No.1サウスポー、武器は「止まって見える」“生意気”なチェンジアップ
次に目を引いたのが、大量の服。洋服店のように丁寧にたたまれ、棚にきれいに並べられていました。その数なんと、アウター30着にパンツ20本!「古着多いです。アメカジ好きで」と話す吉田投手。続けて「楽しいじゃないですか、合わせたりするの」と、服好きの一面ものぞかせました。
美的センスの高さは、こんな場面でも発揮されていました。 「これ切ったほうがいい!」、「襟足なくしたい」など、寮で気にしていたのはチームメートの髪形。そんな吉田投手の様子に、チームメートたちは「髪切るのがこいつ好きで」、「いつも切ってもらってます。いつも吉田カットです。うまいので切るのが。いつもみんなの髪を切ってくれています」と話します。
なんと、チームメートの髪をカットする役目も担っていた吉田投手。付けられたあだ名は、“バーバー吉田”。さらにチームメートたち曰く、「涙もろい」という吉田投手。「子供っぽいです。子供っぽいしすぐ泣くし」、「けがしたら泣く、 打たれたら泣く、負けたら泣く」、「いっつも泣いてる」、「泣いてしかいない」と、涙もろい一面を感じたエピソードを笑顔で明かしました。
ドラフトで流した涙、吉田投手が野球をする理由
ドラフト会議でも、吉田投手の“涙もろさ”が垣間見えた場面がありました。 ドラフト指名後に行われた会見で、「社会人生活を振り返ってみていかがでしたか?」という質問に対して、「そうですね、本当に・・・。簡単ですけど、本当に苦しかったっていう4年間だった」と、涙を浮かべた吉田投手。 この涙にはどんな想いが隠されていたのでしょうか?
佐賀県出身の吉田投手。小学3年生の頃に野球を始めると、地元の高校を卒業し、『西濃運輸』に入社。レベルアップを求め、肉体強化に取り組み、入社時に60㎏だった体重は80㎏まで増加。球速も138㎞から149㎞と、10㎞以上アップしました。
しかし、社会人での4年間を振り返ると、「“苦しい”につきますかね」と答えた吉田投手。社会人での4年間は苦悩の連続でした。 2年目に左肩を負傷。そこから立て続けにけがに見舞われ、約1年間、投げられない日々が続いたのです。「本当にその間は苦しくて、野球をやめたいなって思いではありましたね」と、当時の心境を明かします。 ”野球引退” 去年、本気でそう考えていたといいます。そんな吉田投手を変えたのは堀田晃コーチからかけられた、ある言葉でした。 吉田投手: 「『誰のために野球をやっているんだ』って言われて・・・」