西日本短大付、快勝の流れを生んだ俊足1、2番の2年生コンビ 32年ぶりの頂点へ、また一歩前進【甲子園】
◆全国高校野球選手権2回戦 西日本短大付13―0菰野(14日・甲子園) 自分たちの庭のように聖地で暴れ回った。西日本短大付の勢いが止まらない。12安打で13得点。甲子園で初めての2桁得点で14年ぶりの3回戦進出だ。「全国大会に来てこれだけの結果が出るとは、喜びと期待しかない」と西村慎太郎監督が驚く猛攻だった。 ■西短など3校が3回戦へ【九州勢の初戦一覧】 菰野の先発を左腕と予想して右打者の三笘拓海(3年)を9番に入れるオーダーを組んだが、実際に来たのはこの夏初登板のサイド右腕。ベンチの戸惑いを俊足の2年生コンビがいきなり打ち破った。初回、1番奥駿仁が四球で出塁。続く井上蓮音がバスターエンドランのサインで左翼線への二塁打を放つと、奥は「行けると思った」と一塁から一気に生還した。これで主導権を握り、3回の8得点のビッグイニングにつなげた。 初戦の金足農(秋田)戦でも一回に2人で先制点を挙げ「奥の走力に救われている感じはある」と西村監督は信頼を寄せる。50メートル5秒8でチーム一の俊足を誇る奥は今春から1番として打線を引っ張る。井上蓮は「先制点を取ったら守備も楽になる。一回は気持ちを入れて先制点を狙います」と甲子園で2試合続けての狙い通りの展開にうなずいた。 西日本短大付の一大会2勝は全国制覇した1992年以来。「西短が福岡代表で出て良かったと言われるよう、一つでも多く勝てるように頑張ります」と西村監督。32年ぶりの頂点へ、一歩ずつ前進する。(前田泰子)
西日本新聞社