【レポート】上坂すみれ、活動10周年の集大成に“魅力と欲望”溢れるツアーファイナルを開催 同志とともに盛り上がる
ライブ初披露ではファンも一致団結
本ツアーでライブ初披露となる新曲「KOUTOU TIGER」はユーロビートということで、上坂がサビの振り付けをレクチャー。事前に振り付け動画が公開されていたこともあって、同志の予習もバッチリのようで、ギャルの聖地・渋谷にてパラパラ風ダンスで一致団結する。 そこから「すーぱー呂布呂布ぱらだいす!」「ウエサカダイナミック」と問答無用のアッパーチューンを連発。前者では上坂が渋谷の真ん中で呂布愛を叫ぶと、後者では“右坂”サイドと“左坂”サイドでコール合戦を行うなど、この10年で鍛え上げられてきた猛者たちがすみぺにすべてを捧げて最高の景色を作り上げていく。 ここでバンドによる演奏コーナーへ。ライブでお馴染みのインスト曲「予感」シリーズを次々と披露し、これまでの歴史を辿ると同時に同志たちの士気を高めていく。約7分におよぶ長大な演奏ののちに披露されたのは、新曲「見参!革ブロ☆ふぉーえばー」。「革命的ブロードウェイ主義者同盟」のMV衣装をリバイバルした赤のショートドレスに着替えた上坂が登場しての披露となった。 その後は早くもラストブロックに突入。靴下を手にはめたダンサーが登場した「Inner Urge」、「ヤバイ◯◯」のインスト演奏に乗せたバンドメンバー&ダンサー紹介に続いては、「♡をつければかわいかろう」「海風のモノローグ」「よっぱらっぴ☆」をメドレー形式で届ける。ラブリー、シティポップ、ハイテンション…曲調も表情もバラバラなのにどの楽曲も彼女らしいのが、上坂すみれというアーティストの奥深さであり、“沼”ポイントだ。 ラストスパートの「げんし、女子は、たいようだった。」では、サビで大合唱が巻き起こり、最後は自身主演のTVアニメ『イジらないで、長瀞さん』のOPテーマとして海外でも人気の高い「EASY LOVE」で、コール&レスポンスの応酬を繰り広げて熱く締めくくった。
人生の転機を共にしたナンバーをアンコールで披露
大阪・愛知公演の裏側の模様を編集したエンドロール映像が祭りの終わりの余韻を感じさせるなか、アンコールの声が寄せられると、Tシャツに着替えた上坂が再登場。TVアニメ『パパのいうことを聞きなさい!』小鳥遊空役として歌ったキャラクターソングのセルフカバー「ソライロ(Acoustic ver.)」でアンコールが幕開ける。 『パパ聞き!』は彼女が人生で初めてオーディションに合格した作品、そして「ソライロ」は初めてレコーディングしたキャラソンであり、彼女の初期のライブでも歌われていたナンバー。いわば彼女の声優・アーティストとしての原点の楽曲であり、同志にとっても思い出深い楽曲だ。上坂は優しく慈愛に満ちた歌声を会場いっぱいに響かせ、最後はにこやかにお辞儀をして結んだ。 その後の機械コーナーでは、ファンクラブイベント「超すこやか連邦 酒・おかわりしますか」「上坂すみれファンミーティング in Hiroshima」の開催、本公演のU-NEXTでの独占ライブ配信などが伝えられた。最後には「私は人見知りで、自分のことにも自信がないし。ロリータやアニメが好きなのは、自分じゃないものになりたいなって。私は自分を振り返ると〈私が嫌だな〉という気持ちが強かったんです」「でも私のことを好きって言ってくれる人がいて、私はめちゃくちゃ助けられている。だから今日は、いっぱいいっぱいありがとう!」とコメント。 そして彼女は、同志たちに「毎日ドキドキして生きてるんだけど、これからもそういう私の背中を押してもらってもいいですか?」と聞くと、会場からは大歓声が。最後には「素敵な曲がありますので、いつも毎日毎日ありがとう、毎秒毎秒ありがとうの気持ちを込めて、この曲を歌います」と告げて、憧れの人である桃井はるこが書き下ろした新曲「ファーストピリオド.」を披露した。 歌い終えて「本当にいつもいつもありがとう、これからもよろしく!好きだ―!」と思いの丈を思い切りぶつけた彼女は、この日のラストナンバー、同志たちとの決起集会には欠かせない団結の歌「革命的ブロードウェイ主義者同盟」を熱唱する。煌めくレーザーライトを浴びながら堂々たる佇まいで歌う上坂と、その声に呼応して力強く声を上げる同志たち。上坂は曲中で拡声器を手にして演説を一席ぶち、改めて「すみぺの大理論」を同志諸君に叩き込んで決起を促すと、最後はみんなでコブシを掲げ、渾身の「ウラー!」というシャウトで会場の気持ちをひとつにしてベストツアーを完走した。 TEXT:北野 創/編集 PHOTO:鈴木健太(KENTA Inc)、ウチダアキヤ