元パラリンピアンの社長が目指す“ヘルパーステーション” 利用者の目線で「必要とされる会社へ」
名古屋市西区に住む加藤啓太さん(33)。 生後3か月で重度の脳性麻痺となり、医師からは「身体的には99%ダメでしょう」と告げられるほど深刻な障害が残りました。 移動は全て電動の車いすで、24時間、365日の介護が必要です。 【動画】24時間の介護必要な生活…「ボッチャ」元日本代表 車椅子の経営者
初めて取材したのは、16年前の2005年。 加藤さんがまだ高校3年生のときでした。 加藤さんは、2012年にはロンドン・パラリンピックに障害者スポーツ「ボッチャ」で出場を果たしました。 「公演のタイトルが出ています『1%の可能性を信じ、挑戦し続けることができる社会に』」(大石邦彦アナウンサー) 「なんでもやりたい、目立ちたがり屋」だという加藤さん。 これまでに、100回以上、小中学校などで講演会を開いています。 「周りが何か言っても、やりたいことはやり抜く」(加藤さん) 加藤さんの講演を聞いた参加者は… 「今挑戦していることがあってそれに失敗してしまった。次にどういかすべきか、どう進めばいいか悩んでいた。公園を聞いて、加藤さんはすごく前向きだなと。すごいなと思いました」(参加者)
社長を務める訪問介護事業 両親がサポートも「1人でもやれるように…」
パラリンピック元日本代表以外にも、もう一つ肩書ができました。 「代表取締社長、加藤啓太『株式会社KEI』…今社長なの!?」(大石アナ) 「一応」(加藤さん) 5年前、訪問介護事業の会社を立ち上げて経営者となりました。 経営者として、派遣するヘルパーの育成とスケジュール管理などが主な仕事です。 「“地域ナンバー1”じゃなくて、地域に必要とされるヘルパーステーションにしたい」(加藤さん) 会社には現在、30人ほどのヘルパーが在籍していて、加藤さんの両親も従業員として、サポートしています。 加藤さん「早く一人でやれるようになりたい」 大石アナ「独立したいということ?」 母・眞澄さん「私たちがいなくても会社を回したいと」 加藤さん「普通に考えて、親が先に死んでしまうから」