佐々木朗希 ドジャースと密約なら「FBI本格調査」の可能性…試されるMLBの〝本気度〟
不穏な空気が漂い始めている。ロッテからポスティングシステムを使ってMLB移籍を表明している佐々木朗希投手(23)に関してドジャースとの〝密約〟が疑われる場合、MLBが本格調査に乗り出す可能性があると米メディアが報じた。その後の展開次第では「第2の一平事件」にまで発展するのではないかと疑いの目を向けるMLB関係者もいる中、その全容解明には、やはり高いハードルが待ち受けているようだ。 ドジャースの地元メディア「ドジャーブルー」は28日(日本時間29日)に佐々木のポスティングシステム申請が12月12日(同13日)のウインターミーティング終了後になる可能性が高まっていると報道。加えて15日(同16日)以降であれば、ポスティングによってロッテ側に契約金額の20%が譲渡金として手に入るメリットがあることも強調した。 その上で同メディアは、今月10日(同11日)に米紙「ニューヨーク・ポスト」(電子版)のインタビューでロッテの同僚だったダラス・カイケル投手(36)が「佐々木のドジャース入団はすでに決まっているという話を複数の筋から聞いた」と述べたことを問題視。この発言を再び取り上げて「そのような〝密約〟の証拠は現時点ではない」としながらも「MLBは佐々木と交渉する全球団の状況を注意深く監視しており、違反の可能性があると判断されれば調査に乗り出す構えを見せている」と報じている。 では、もしもタンパリング(事前交渉)などの不正が疑われる案件が確認された場合、MLBが主導して行う調査とはどういう内容になるのか。 あるMLB関係者は「ドジャース・大谷(翔平投手=30)の銀行口座から違法賭博の胴元に多額の違法送金を行った水原一平元通訳と同じようなFBI(連邦捜査局)による捜査が行われるだろう」と指摘し、こうも続けた。 「MLBが本気ならば、タンパリングに関わったと思われるスカウトや編成関係者から携帯電話、パソコンを回収し削除したテキストメッセージなども復元した上で徹底的な調査が行われる。また、カネの流れを調べるために、当該球団から相手方関係者へ事前に資金が流れていないかなども調べられるはず」 その一方で、MLB関係者の中には佐々木との〝密約説〟がまことしやかにささやかれているドジャースに関し、こんな推測も投げかけられている。 「今のドジャースはMLBの国際化をトップランナーとしてけん引しているビジネス上の最重要球団。大谷翔平という国際的スターを抱え、たった1シーズンで巨額な年俸総額7億ドル(約1050億円)に匹敵する広告費や放映権料を稼ぎ出している。さらに今年の韓国での開幕戦に続き、来年も日本での開幕戦が控えている。間違いなく今のMLBにとっての稼ぎ頭。仮に疑わしき状況が発生したとしても、本気で捜査のメスを入れられるかどうかは疑わしい」(ナ・リーグ球団スカウト) 佐々木争奪戦のゴングを前にまだ本命視されるドジャース、代理人であるジョエル・ウルフ氏はどのような動きを見せるのか。加えて「ロウキ・ササキの契約時期は来年1月15日(同16日)以降になる」とクギを刺したマンフレッド・MLBコミッショナーの動向に対しても、他の29球団からこれまで以上の注目が集まっている。
東スポWEB