Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

「からゆきさん」森崎和江 強いられた女性たちの生き様 【あの名作その時代シリーズ】

配信

西日本新聞
「からゆきさん」森崎和江 強いられた女性たちの生き様 【あの名作その時代シリーズ】

鬼池と口之津を結ぶフェリーの船内。からゆきさんも同じ海を渡った

 「あの名作その時代」は、九州を舞台とした作品、または九州人が書いた著作で、次代に残すべき100冊を選び、著者像や時代背景、今日的な意味を考えながら紹介するシリーズです。西日本新聞で「九州の100冊」(2006~08年)として連載したもので、この記事は07年3月18日付のものです。 **********  口之津は悲しき港ぞ 幾もの乙女らの涙の海 鳴くぞ千鳥の鎮魂歌    長崎県・島原半島の南端に位置する「口之津歴史民俗資料館」(同県南島原市)。一九八四年、ここを訪れた俳優の森繁久弥は、口之津港を眼前にして、こう詩に詠んだ。  題名は「からゆきさん」。  明治三十年代、口之津港は石炭の積み出し港として栄えた。三池炭鉱(福岡県)から掘り出された石炭は、同港で大型船に積み込まれ、海外に出港した。  その中で、アジア向けの船倉に押し込まれたのが「からゆきさん」。半ば強制的に身売りされた少女たち。森繁は、乙女の涙を口之津の海に見た。  島原地方に伝わる民謡「島原の子守唄」には、こんな一節がある。  はよ寝ろ泣かんで オロロンバイ 鬼(おん)の池ん久助どんの連れんこらるばい  「鬼の池」は、口之津港の対岸の熊本県・天草の鬼池地区。「久助どん」とは天草の売人を指す。「早く寝ないと、天草の売人が来て、海外に連れて行かれるぞ」という内容だ。  口之津港の向こうに天草の島影がくっきりと見える。

本文:2,658文字

写真:1

    続きをお読みいただくには、記事の購入が必要です。

    すでに購入済みの方はログインしてください。

    税込220
    PayPay残高
    T-POINT
    使えます
    サービスの概要を必ずお読みいただき、同意の上ご購入ください。購入後に記事が表示されない場合はページを再度読み込んでください購入した記事は購入履歴で読むことができます。

    西日本新聞

    西日本新聞の有料記事

    PayPay残高使えます