瀬戸康史が三谷幸喜の舞台に初参戦! 「芸達者な大先輩たちと仲良くなりたい」
三谷さんの作品は、作品に対しても役者に対しても愛が溢れている
現在放送中のドラマ「ルパンの娘」にて、正義感あふれる和馬役で活躍中の瀬戸康史さん。 【画像】一つひとつのポージングが美しい…瀬戸康史の撮り下ろしグラビアなど全19枚 甘いマスクから、映像では真摯な男性役をやることが多いが、舞台ではとんでもなく振り切れた役をパワフルに演じており、ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)、前川知大、河原雅彦ら数々の演出家に愛されている。 そんな瀬戸さんが満を持して、三谷幸喜さん演出の舞台に初参戦! 三谷さんが最も敬愛するニール・サイモン『23階の笑い』に出演する。稽古が始まったばかりの瀬戸さんに、本作への心意気を語ってもらった。 ――瀬戸さんは、今回『23階の笑い』で三谷幸喜さんと初タッグを組まれます。お会いになるのも初めてだったそうですね? プライベートな場所で一方的にお見かけしたことはあり、柔らかそうな方だなと思っていたのですが、今回初めてお話しさせていただいて、やっぱりお優しい方だなと感じました。 作品に入る前は、ナイーブになることが多いですが、今回は偉大な三谷さんとやらせていただくプレッシャーよりも、楽しみのほうが大きかったですね。 ――三谷さんの作品についてはどんな印象を持っていましたか? 舞台も映画も、共通して愛があるなと思いながら観ていました。作品に対しても役者に対しても愛が溢れている。 どんなに小さな役だったとしても、思いを込めて描かれていらっしゃると思います。 ――たしかに、最初は嫌な人のように感じても、物語が進むにつれてチャーミングに見えてくることが多いですね。 そうなんです。演じるほうとしては、気持ちが上がりますし、頑張ろうという気持ちになりますよね。
今作はセリフがないときの芝居がすごく大事になる
――『23階の笑い』は1953年、人気コメディアンのマックス・プリンスのニューヨークにある事務所が舞台。マックスとそこに集まる、個性あふれる放送作家たちの物語です。 僕の演じる役はルーカスといって、そのなかで一番若い新人の作家。向上心があり、はやくこの事務所になじみたいと思っている男です。 三谷さんご自身も昔、放送作家をなさっていて、ルーカスと同じように先輩の放送作家たちと事務所に通い、台本を書いていたそうです。 いまのテレビ業界のあり方など、三谷さんなりに考えていらっしゃることがあり、この作品の上演にあたり、いろんな思いが詰まっていると稽古初日に話してくださいました。 ――本読み(出演者が脚本を読み合わせる稽古)はいかがでしたか? これは放送作家たちの会話劇で、いろんなところにギャグがちりばめられているんです。 アメリカの戯曲なので、アメリカン・ジョークが山ほどあり、三谷さんは日本人向けに上演台本を調整してくださっているのですが、読み合わせでは、「ここもギャグだったんだ!」と初めて気づくようなポイントがたくさんありました(笑)。 ――瀬戸さんはKERAさん作・演出の舞台などコメディ色の強い作品にも出演されていますが、ニール・サイモン&三谷幸喜作品とはまたスタンスが違うのでしょうか? そうですね……。たとえばKERAさんの『陥没』(2017)などはアホな子の役だったので、台本のまま素直に演じることが笑いにつながりました。 でも今回は、登場人物たちが、相手を笑わせようとして面白いことを言い合うんです。 計算された笑いというか、「ウケるだろ?」と思いながら言ってみたことが滑って笑われる場面もあって、さじ加減が難しそうです(笑)。 ――なるほど! それから、オフィスが舞台なので、他の人が話している間、無言で作業をしなければいけない場面も多い。 そういうセリフのないときの芝居がすごく大事になるような気がしています。 ちゃんと舞台の上で登場人物たちが生きていないと、お客さんは冷めてしまいますから、責任重大ですよね。