競技者表彰は23年ぶりに該当者なし…候補者増で票が分散
競技者表彰が該当者なしだったのは1998年以来、23年ぶり。2008年にプレーヤー表彰とエキスパート表彰に分かれて以降では、初となった。新たに有力な候補が増えたことで票が割れた格好となった。 プレーヤー表彰(候補30人)は、2年連続で必要得票率(75%)に達した候補者がいなかった。最多得票は高津臣吾氏(現ヤクルト監督)の259票(72・3%)で10票不足。2位は新たに候補入りした山本昌氏(元中日)で244票(68・2%)、3位はアレックス・ラミレス氏(前DeNA監督)で233票(65・1%)だった。 プレーヤー表彰は現役引退から5年以上の選手が対象で、今回初めてリストに入ったメンバーには山本昌氏のほか、歴代最多の通算3021試合出場の谷繁元信氏(元横浜など)、セ、パ両リーグで最優秀選手(MVP)の小笠原道大氏(元日本ハムなど)、2004年の三冠王の松中信彦氏(元ソフトバンク)らそうそうたる顔ぶれが並び、候補者数は昨年の21人から30人に増えた。 エキスパート表彰(候補20人)も昨年より候補者が増えて票が分散し、ランディー・バース氏(元阪神)は6票届かなかった。 来年はプレーヤー表彰で日米通算203勝の黒田博樹氏(元広島)、通算172勝の三浦大輔氏(現DeNA監督)らの候補入りが予想される。 ★野球殿堂 日本の野球発展に大きく貢献した人たちの功績をたたえ、顕彰することを目的として1959年に創設された。プロ球界で功績のあった競技者表彰(プレーヤー表彰とエキスパート表彰)と、アマチュアを含め球界に貢献のあった人が対象となる特別表彰がある。選出はいずれも投票で75%以上の得票が必要。殿堂入りすると、東京ドームにある野球殿堂博物館にレリーフが飾られる。 ★野球殿堂入りの対象者、選出方法 【競技者表彰・プレーヤー表彰】引退から5年以上の元プロ選手で今回の候補は30人。候補者でいられるのは15年間。野球報道にかかわって15年以上の委員が7人以内の連記で投票する。今年は投票委員数、有効得票数ともに358。 【競技者表彰・エキスパート表彰】プロのコーチ、監督でユニホームを脱いで6カ月以上経過しているか、引退から21年以上の選手が対象。今回の候補は20人。すでに殿堂入りした人、表彰委員会幹事と野球報道30年以上の委員が5人以内の連記で投票する。今年は投票委員数、有効得票数ともに134。 【特別表彰】〔1〕アマチュア競技者で選手は引退から5年以上、コーチと監督は引退後6カ月以上〔2〕プロ、アマの審判員で引退後6カ月以上〔3〕プロ、アマの組織などの発展に貢献〔4〕日本の野球の普及、発展に貢献-のいずれかに該当する人。プロの役員および元役員やアマの役員、野球関係の学識経験者が投票する。今年は投票委員数、有効得票数ともに14。