「OPPO Find X8」が国内発売へ、3年ぶりのハイエンド
オウガ・ジャパンは、Androidスマートフォン「OPPO Find X8」と「OPPO A3 5G」、タブレットの「OPPO Pad NEO」を発表した。12月12日から順次発売される。 【この記事に関する別の画像を見る】 ■ 3年ぶりに日本市場にハイエンドモデル 日本市場においては3年ぶりとなるハイエンドモデル「Find X」シリーズの新機種が発表された。オウガ・ジャパン 専務取締役 河野謙三氏は、日本市場においてもFind Xシリーズの新型を望む声が多いことは認識していたと話す。 「製品サイクルが速いこの(スマホ)業界で期待を寄せてもらえたのは励みになった」と河野氏。Find X8がグローバルで発表されたことで、ユーザーの期待に応えるべく今回のリリースに至った。 今回の新モデルでは「AI」を大きくアピールしており、河野氏は「OPPOの今後の取組が定まった」とリリースのタイミングとしても適正時期であったことを話す。グローバルでは最上位モデルの「Find X8 Pro」も発表されているが「日本のユーザーに何が一番ちょうど良いか」の選択の結果、Find X8を導入した。同端末は軽さ・薄さを重視しており、一番手に取ってもらえるものは同端末だという判断からという。 日本向けモデルとしては初のHaaselblad(ハッセルブラッド)コラボのカメラが搭載される。グローバルでは2022年から協業を開始している。カメラメーカーと協業するスマートフォンメーカーがいくつかあるなかで、Hasselbladと手を組んだのは、両社の色づくりに共通性があるからという。同社のカメラは世界のプロ現場で使われており、忠実度の高い色表現が特徴。一方でOPPOもAV機器メーカーという経緯から、色の表現には強みを持つ。そうした方向性の一致から協業に至ったと河野氏は説明した。 ■ ハイエンドモデルをSIMフリーで出す狙い Find X8は、MVNO事業者などが取り扱うもののMNOのキャリアモデルがなく、SIMフリーモデルのみの発売というかたちになる。端末購入補助などがないSIMフリー市場では、高価なハイエンドモデルは難しい販売戦略を迫られそうだ。 しかし河野氏は、ハイエンドモデルを日本のSIMフリー市場で出すことは難しくはなく「むしろ逆だ」と話す。製品の発売に向けては、さまざまな事業者との協力があるが、その数が増えれば増えるほどローカライズへのハードルが高くなり、発売のタイミングに影響するという。「そうなると、我々が出したいと思う製品が出しづらくなることもある。Find X8はOPPOのこの先の取り組みやOPPOの方向性を最も強く打ち出したい製品。あえて、しがらみの少ないSIMフリー市場で、いち早く日本市場へ投入した」と語った。 ただしローカライズを重要視していないということではなく、今回は販売目標とコストの兼ね合いから見送られたものの、日本特有の周波数への対応などは必要性を認識していることを説明。今後については対応を進めていく姿勢を見せた。Find X8は11月21日にグローバルで発表、29日には日本向けモデルとして発表されている。 ■ OSアップデートは長期化、Find X8にFeliCaがない理由 新製品では、手頃な価格のOPPO A3 5GにはFeliCaが搭載される一方、ハイエンドモデルであるFind Xでは利用できない。この点についてプロダクト部の丹下紘彰氏は「Find X8はOPPOのAIフォンとしてグローバルで大々的にリリースされた。FeliCaを載せるよりも、まず日本で発売する時期を重視した」と説明する。 Find X8ではソフトウェアサポートはOSアップデートは4年、セキュリティアップデートも6年保証という長期サポート体制を取っている。丹下氏は、他社の動向や市場の声に応えた対応だと話した。今後の製品については、それぞれのシリーズのなかで体制を検討していくという。 Find X8のリリースにより、3年ぶりに日本市場でハイエンドスマートフォンが復活した。今後の製品展開が気になるところだが、河野氏は「来年もやりますと言いたいが、まだわからない」と直接的な言及は避けた。 ただし、今回のFind X8国内発表はグローバル版の発表から約1週間後。このスピード感を、河野氏は「我々の7年間の歴史のなかで初めて」と表現。日本での展開に力を入れていることを示しつつ「反響を見ながら来年(の展開を)考えていきたいと思う」とした。
ケータイ Watch,北川 研斗