昭和世代には「懐かしい」ヘチマ、見直される“良さ” 静岡県浜松市の市民団体が復活・普及に奮闘中
五明さんは、「ヘチマスポンジに出会い、キッチンのスポンジはヘチマでいいと思った。同じ思いの人が、近所のスーパーでもヘチマが買える世の中になってほしい」と語る。 織田氏は遠州偉人伝の中で、「世の中の捨ててしまう廃物を利用したら日本には倍の富ができるぞ」と説いている。これは日本人の持つ「もったいない精神」や「循環型経済(サーキューラーエコノミー)」に通じる。 国は数年前から農林水産物の輸出を振興しているが、農林水産省のデータによると、昨年1年間における農林水産物の貿易収支は11兆の赤字(輸入超過)。
農業従事者の高齢化や減少という問題はあるが、国内で農産物を作る努力は必要だろう。その際、環境保全に役立つのであれば、なお望ましいと言える。 【写真】かつては日用品の素材として重宝されていたヘチマ。小学校で栽培した思い出がある昭和世代も多いだろう。昔の様子を残した古い資料や浜松市で行われている取り組みの様子など(14枚)
伊藤 辰雄 :ジャーナリスト