二日酔いに”効果的”とされる「ウコン」にも実は落とし穴が…! 健常な38歳の男性はなぜ死亡したのか
「お茶で血圧が下がるなら薬を飲む前に試してみようか」「健康食品でダイエットできるならそれがいちばん楽でしょう」「食生活が不規則だからビタミンやミネラルで補うしかない」などと、健康食品はすっかりわれわれの生活に浸透している。 【続き】忘年会前に気を付けたい、一緒に飲んではいけない医薬品 しかし実は、健康食品では機能性や安全性について何の保証もない健康食品が多く販売され、健康被害の大半はこれらの製品で発生している。ならばどんな健康食品を使えばいいか、使いたければ自身で見分ける目が必要である。そのため健康食品で被害に遭わないための基礎知識をさまざまな事例を通してわかりやすく解説した著書『健康食品で死んではいけない』より、健康食品の素材がなぜ毒に変わるのか連載形式で紹介する。
二日酔い防止でおなじみのウコンでまさかの肝障害
ウコンと言えば肝臓に効く健康食品だと思っている人が多いだろう。ウコンは香辛料としてカレーなどによく用いられるショウガ科の植物である。この中に含まれるクルクミンが、胆汁の分泌を促進し肝機能を改善する効果があることから「二日酔い防止」の健康食品として販売されている。民間伝承でもお酒の前に飲んでおくといいと言うし、確かにそうだと効果を実感している人も多いはずだ。 肝機能改善に関しては、実際にヒトに使って薬の効果・安全性を確かめるヒト臨床試験で効果があったという報告もあり、機能性表示食品としても販売されている。クルクミンには主に動物実験で、肝臓に対する作用以外に、抗菌、血糖低下、抗腫瘍、認知機能改善などの作用が多数報告されている。 脳科学者の茂木健一郎氏による、カレーを食べたときとそうでないときを比較してIQが若干上昇するというような研究発表もある。こうしたヒトに対する臨床報告をもとに、高齢者の認知機能改善をうたった機能性表示食品としても販売されている。 カレー好きが多い日本人にとって、いつも食べているカレーのウコンにこんな心地よい研究結果の報告が多いので、ウコンは体によい、と考えるのも無理はない。