新型コロナワクチン、「感染予防効果なし」は誤り。ワクチンの効果、副反応について専門家に聞きました
「『絶対に打ちたくない』という声が医学界から聞こえてくる…」「そもそもワクチンは、感染予防にならないのだという」新型コロナウイルスのワクチンについて、このように伝えた記事が批判を集め、その後削除された。ワクチンに関する「感染予防効果はない」「mRNAが体内に半永久的に残るかもしれない」という情報は誤りだ。BuzzFeed Newsは米国国立研究機関博士研究員でウイルス学、免疫学を専門とし、1月23日にモデルナの新型コロナワクチンを接種した峰宗太郎医師に話を聞き、ファクトチェックした。【BuzzFeed Japan /千葉雄登】 【動画】「これ以上感染が続くと…」尾身会長の切実な“お願い”
問題の記事、その内容とは
批判が集まったのは「コロナワクチンを『絶対に打ちたくない』と医師が言うワケ 感染予防効果はなし」という記事。デイリー新潮が1月20日17時に公開したもので、記事はYahoo!ニュースでも配信され、1500件以上のコメントを集めていた。 ・ワクチンは感染予防にはつながらず、あくまで重症化予防のために打つためのもの ・モデルナ社などがワクチンに用いる「mRNA」が体内に半永久的に残るかもしれない 問題となった記事では、このような情報が大学教授のコメントをもとに紹介されている。
「感染予防効果はなし」は正確か?
「新型コロナウイルスのワクチンはその多くはウイルスの表面にあるSタンパク質というものをターゲットにして、新型コロナウイルスに対する免疫を付けさせることを目的としたワクチンです。先行している2つのワクチン(ファイザー・ビオンテック、およびモデルナのもの)はmRNAワクチンというもので、体の中でSタンパク質をつくらせることで免疫を誘導します」 峰医師はこれまでに接種が始まっている新型コロナのワクチンの性質について、このように説明する。 そもそもワクチンに感染予防効果を期待することはできるのだろうか。 峰医師は以下のように語る。 「ワクチンには一般的に感染予防効果があることが多く、ウイルスなど病原体に感染することを防ぐ効果のあるワクチンが多い。子宮頸がんなどを防ぐHPVワクチンや水痘ワクチンなどはその例です。これらはウイルスに感染することを防ぐ免疫をつけることができます。また、よく効くワクチンの代表例である麻疹ワクチンの場合、感染予防効果は95%程度とされています」 「インフルエンザワクチンの場合、その年によってもかなり異なりますが、感染予防効果は30-60%程度であることが多いと言われています。そのため感染予防効果は不十分とも言えますが、重症化予防効果があると、はっきりと言うことができます」