いま若者にもっとも売れてるクルマはどれか? 販売ランキングトップのクルマが支持を集める3つの理由。【クルマの経済学】
20代の若者がクルマを買う決め手はどこにあるのか? 新車販売ランキング上位のクルマについて調べてみると、そこには男女問わず若者に支持される理由がいくつも潜んでいた。マーケティング/ブランディングコンサルタントの山崎明氏が考察する。 【画像】若者に売れてる国産車は? 国産車・新車販売台数ランキングはこちら!
いま売れている国産車はどれだ?
現在売れているクルマってどんなクルマなんだろう。日本自動車販売協会連合会が毎月車種ブランド別の販売ランキングを発表しているが、その2024年上半期(1~6月)のデータを見ると1位カローラ、2位ヤリス、3位シエンタとトヨタが上位を独占している。 ただし1位のカローラと2位のヤリスはそれぞれの車名を関した車種の合計である。つまりカローラにはカローラ(セダン)、カローラツーリング、カローラスポーツ、カローラクロス、カローラアクシオ、カローラフィールダー、GRカローラの合計であり、ヤリスはヤリス、ヤリスクロス、GRヤリスの合計である。 トヨタのホームページで月ごとのトヨタ車の売れ筋ランキングが公表されているが、これは車名別ではなく車種別である。それによると6月のトヨタ車販売ランキングは1位シエンタ、2位ルーミー、3位カローラクロス、4位アクアである。 つまり現在日本で一番売れているクルマはシエンタであることがわかる。実際、私の住む神奈川県藤沢ではものすごい数のシエンタが走っているので、実感としても納得のできるものだ。 またこのランキングはボディタイプ別、男女年代別のランキングを見ることもできる。若年層に注目して20代男性のランキングを見ると1位はカローラクロス、2位はハリアー、3位はライズ、4位はRAV4とSUVがずらりと並ぶ。なお、5位はシエンタ。20代女性は1位ライズ、2位カローラクロス、3位ルーミー、4位シエンタ、5位ハリアーである。女性でもカローラクロスやハリアーといったコンパクトとは言えないサイズのSUVが上位にランクインしている。 ファミリー層が中心となる30代ではミニバンが主流になるが、独身者や既婚者でも子供のいないカップルにとってはSUVが最適解なのだろう。 カローラクロスの価格帯は218.4万円から345.9万円だが、人気は最上位グレードのハイブリッドZのようで、325万円(2WDの場合)と手軽に買える金額ではないが、男女問わず若者に支持されているのだ。