「狙うのは詐欺師」闇バイトで実行犯募る“トクリュウ”の卑劣な手口 闇バイトの実態は「捨て駒」 脅迫され報酬はもらえず「ペナルティ」まで…
“恐怖”によって支配していたとみられる今井被告。所持していたスマートフォンからは、東京、大阪、兵庫、山形、千葉、福岡に住む23歳から35歳までの男性6人の運転免許証やパスポートの画像が見つかっていて、警察はこの6人も闇バイトとして犯行に関与していないか慎重に調べている。
■“トクリュウ”のリーダーか 闇バイトは「捨て駒」
今井被告は、闇バイトで実行役を募って、秘匿性の高いSNSを使って犯行を指示する「匿名流動型犯罪グループ」、いわゆる“トクリュウ”のリーダーと警察はみている。
今井被告は実行役に自らの名前は名乗らず、動物の絵文字などで自身を表現していたほか、SNSのメッセージは1時間で自動的に消える設定にしていて、自身の関与がわかりにくいようにしていたという。 警察庁は「トクリュウは自分たちが逮捕されないよう、闇バイトで集めた実行役を都合よく利用した後、簡単に『捨て駒』」として切り捨てる」と、いわゆる闇バイトの呼び掛けには決して応じないように警戒を呼びかけている。
■警察が保護するケースも「勇気をもって相談を」
闇バイトによる事件が相次ぐ中、警察庁は、闇バイトに応募し、指示役に脅されるなどした人を保護した事例が、11月末までの1か月半で125件にのぼったことを明かした。10代や20代が約7割を占める一方、50代以上も約1割いたという。 一度犯罪に加担してしまうと、簡単には抜け出せない“闇バイト”。まずは一時の誘惑に負けて、応募しないようにするとともに、たとえ応募してしまっても、犯罪に手を染める前に警察などに“助け”を求める勇気がいま求められている。 もしもその道を選ばなければ、その先に待っているのは“逮捕”だけだ。