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中国は日本に比べ「孤独死」する高齢者が圧倒的に少ない理由

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ダイヤモンド・オンライン

 超高齢化社会となっている日本では、「孤独死」する人が多く、社会問題化している。一方、同じく、少子高齢化が急速に進んでいる中国では、現在のところ、あまり「孤独死」は起きてはいない状態である。なぜ、中国では孤独死がほとんどないのか。その理由や背景を解説する。(日中福祉プランニング代表 王 青) 【この記事の画像を見る】 ● 日本で日常的に見られる「孤独死」 中国では高齢化社会でも少ない  日本では、近年「孤独死」という言葉は、日常的に見られて、一種の社会現象になっている。「孤独死」の定義は、「死後1週間を超えて発見された人」や、「65歳以上の一人暮らしで誰にも看取られずに亡くなり、2日以上たった人」などで、地域や自治体により異なるなど、はっきりとしたものはないようだ。  いずれにしても、誰にも看取られずに亡くなり、数日後に発見されるというケースが増えているのが実情だ。その多くは、地域社会とのつながりが薄く、身近なところに親族や親友がいない人、自分の体や生活を管理できない「セルフネグレクト(自己放任)」の状態にある人とされている。  日本は世界で類を見ない超高齢社会であるため、今後も一人暮らしの高齢者が増えていく中で、「孤独死」のリスクはますます高くなると予測されている。

 一方、中国は長年実施した「一人っ子政策」のひずみで、少子高齢化が急速に進んでいる。現在60歳以上の高齢者が2.4億人で、全人口の16.8%を占めている。中国の中で高齢者人口率が一番高い上海の最新統計では、上海市の戸籍で60歳以上の高齢者が518万人で、総人口(全市の戸籍人口1471万人)の35%を占めている。一人暮らしや老夫婦のみの「純老家庭」も、高齢者世帯の7割以上となっている。  データから見れば、日本のように「孤独死」が頻繁に起きてもおかしくないが、実際はそれほど起きていない。それはなぜだろう。  その理由は、政府の高齢者対策、そして、生活習慣、文化、国民性などさまざまな要素が絡んでいるからだと考えられる。 ● 近年、注目されている 「互助ネットワークシステム」という取り組み  中国は、経済発展とそれに伴う大規模な都市開発がなされたため、地縁社会が崩壊した。昔の街並みや生活様式は大きく変わった。高層マンションが立ち並ぶ中、人間関係が希薄となっていき、隣人の正体が分からないという状況だ。  そのため、政府はコミュニティーの建設と整備をスピーディに進めている。特に政府の最末端組織でありながら、住民の生活に最も身近な存在である「居民委員会」は、管轄の区域で一人暮らしの高齢者世帯の見守りについて、特に重点を置いている。  その中で、近年、注目されているのが、「互助ネットワークシステム」という取り組みだ。  これは、2018年に上海市政府が作り上げた「Support for Informal Caregiver(非正式サポートケア)システム(在宅の高齢者に対して、専門的スタッフではなく、親族や隣人、ボランティアが生活をサポート)」の一環として、コミュニティーの住民同士で後期高齢者に対して行っている。電話による安否確認や家庭訪問などを行い、日常生活を支える仕組みとなっている。  1人の前期高齢者が、5~6人の一人暮らしの後期高齢者を担当する。政府が定期的にサービスを行う側に専門的な研修や教育を実施している。 ● 高齢者を対象とする 「老年大学(高齢者大学)」が充実  また、高齢者が家に閉じ籠らないように、高齢者を対象とする教育機関「老年大学(高齢者大学)」が充実している。

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