官民挙げた「経験のない大規模接種」へ ワクチン1億5700万人分を確保「超低温冷凍庫」増産
新型コロナ収束のカギを握るワクチン。政府は20日、新たに7200万人分の供給を受ける契約を交わし、合計で1億5700万人分となりました。6月までの供給を目指す中、準備が急ピッチで進みます。超低温冷凍庫のメーカーでは24時間態勢で増産されています。
米ファイザー社と7200万人を契約
田村厚労相が20日、「米国ファイザー社との間で、新型コロナワクチンに関しての契約を正式に結ばせていただきました。年内に1億4400万回分の供給を受けることで正式に契約をした」と発表しました。アメリカの製薬大手「ファイザー」と年内におよそ1億4400万回、1人で2回接種するため、7200万人分の供給を受けることで契約を結んだということです。 厚労省は既にイギリスの「アストラゼネカ」、アメリカの「モデルナ」、あわせて8500万人分の供給を受けることで契約。今回の契約により、日本国内で1億5700万人分のワクチンを確保できることに。気になる供給時期について―― 田村厚労相 「6月までにはなるべく多くのものを供給できるように努力すると。今年の上半期、前半に接種される対象者の国民の皆様方、全員分確保すると」 承認については、「日本での治験のデータ等々もしっかりと審査しなければならない。それも踏まえた上で安全性有効性しっかりと見た上で承認するかどうかを判断する」と説明しました。
「超低温冷凍庫」24時間態勢で増産
これまでに経験のない大規模なワクチン接種。その準備のため、急ピッチで稼働する工場があります。 白い箱のようなものがズラリと並び、扉を開けると中からは真っ白な冷気が出ています。製造されていたのは「超低温冷凍庫」。契約が正式に結ばれたファイザーのワクチンは、マイナス75度前後での保管が必要です。この会社では、「超低温冷凍庫」の国内供給に向け、今、政府と協議を行っているといいます。 PHCホールディングス広報 「(政府とは)それぞれのワクチンに適応した製品の選択や、供給可能台数などについて打ち合わせをさせていただいております。(ワクチン用の需要増で)通常の約2倍の増産になります」 現在、24時間態勢で増産しているといいます。