将棋のルールは400年間変わっていない!?“将棋大好き芸人”が教える「ルールを知らなくても楽しめる」将棋の見方
将棋の話題を見聞きしたりすることで、興味を持ったとしても「難しそう」という印象は強くある。 【画像】もっと楽しくなる!?ランパンプスの寺内ゆうき著書『知るほど観たくなる将棋』 『知るほど観たくなる将棋 ドラマティック将棋論』(扶桑社新書)は、「ルールを知らなくても楽しめる将棋観戦」をテーマにしていることから、将棋のルールを解説していない。 ルールではなく、将棋の歴史や本質を知るだけで楽しみ方が変わるかもしれない。“将棋大好き芸人”のランパンプス・寺内ゆうきさんの著書から一部抜粋・再編集して紹介する。
400年間ルールが変わっていない
バスケットボールって、100年前は50人対50人でゲームしていたこともあるらしいです。コートの中が人だらけです。これじゃダメだということで、今のルール、5人対5人になったのだとか。 野球はフォアボールじゃなくてナインボールだったり、サッカーは自分より前の人にパスしたらダメだったり……このように、ゲームって意外とルールが変わっていくものなんですよね。 しかし将棋は違います。将棋は最低でも400年ルールが変わっていません。 400年です。江戸時代が始まった頃、1607年の棋譜が残されており、それが最古の棋譜と言われています。ちなみに「棋譜」というのは、将棋の指し手を記録したデータのことです。 ちゃんと記録として残っているのがこの400年前なだけで、将棋自体はもっと昔からあったと言われています。 奈良にあるお寺、興福寺で1058年の将棋の駒が見つかりました。これは将棋にまつわる最古の資料で、1000年前にはすでに将棋は存在していたことがわかります。 ちなみにこの頃から駒の形は五角形です。駒を五角形にしちゃおうぜ!って最初に決めた人に会って理由を聞きたいですよね。
将棋史初のプロは家康から給料を
ただ、この頃はちょっとルールが違ったようです。取った相手の駒を使えなかったり、桂馬が2ヶ所ではなく8ヶ所動けたりしました。 今の将棋の形になったのは15世紀から16世紀ごろと言われています。しかし記録として残っているものがないので、「最低でも400年」と言われているのです。 ちなみに、先ほどの最古の棋譜を残した対局者は、初代大橋宗桂さんと本因坊算砂というお二人です。 特に初代大橋宗桂さんは、今の藤井聡太名人にまで続く名人の歴史の「一世名人」、つまり最初の名人であり、将棋が強すぎて徳川家康からお給料をもらっていた将棋史初のプロと言える人なんです。 その棋譜を現代の将棋AIで解析してみると、ほぼ悪手を指していないハイレベルな戦いだということがわかったそうです。 400年ルールが変わっていないから、同じものさしで観ることが出来るというのも将棋の魅力です。