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イスラエルで迎えた、はじめての朝『独身リーマン、世界へ』(2)

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 これは新型コロナウイルスの影響で年に一度の楽しみ(海外一人旅)を自粛することになってしまった独身男性社員(兵庫県在住)が、いつかの夏休みを振り返っていく連載企画です。 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆  思いつきで冒険的に飛び込んだ、イスラエルの地。しかし、着いた空港で、準備不足を痛感。初めて見たヘブライ文字に戸惑いつつも、心優しい駅員さんに助けられ、なんとか目的の駅に着いたぼく。駅のロータリーにタクシーの姿はなく、ゲストハウスを目指して歩くことにしました。  時刻は午後11時。すっかり暗くなったテルアビブの街。遠くには高層ビルが見えていましたが、ぼくが歩いた通りに街灯は少なく、まだ街の全貌が見えてきませんでした。  それでも目を引いたのは、数多くのストリートアート。公に認められているかどうかはわからないのですが、自由な雰囲気がある街なのかと感じました。  すれ違う人もほとんどおらず、何かと不安を抱えながらも、この時点から翌朝を迎えるのが待ち遠しい気持ちでした。明るい時間のこの街の姿を想像しながら、ゲストハウスへの歩を速めました。  30分ほど歩いて、ようやくゲストハウスに到着。ぼくが泊まった宿は、建物の外からでも聞こえるくらいの声量で、西洋人の若い男女が盛り上がっていました。ゲストハウスといっても200人くらい収容できるとても大きな宿で、その半分以上の人間が深夜にも関わらず歌い叫んでいました。  部屋に着いてすぐに無数に並んでいる2段ベッドの中から適当な一角を陣取って、とりあえず横に。廊下に響き渡るやかましい笑い声を聴きながらも、長旅の疲れからか、あっという間に眠りについていました。  時差の影響か、すぐに目が覚めました。あんなに騒がしかった外はすっかり静かに。「みんな寝たのかな?」 なんとなく窓から明かりが差していました。  起きてすぐに屋上を目指して階段を上がりました。 「初めて見るイスラエルの朝はどんなだろう」 「昨夜はよく見えなかった街並みを早くこの目で見たい」  屋上の扉を開けると、洗濯し終えたシーツを広げている女性スタッフ数人と目が合いました。その奥に広がる、イスラエルのはじめての朝。その眺めを見て、言葉にはなんとも表せないような感情にも……。振り返ると、さっきの女性スタッフがこっちを見て笑っていました。  ゲストハウスに用意されていたシリアルを食べながら、ふとインスタグラムで検索していると、イスラエル在住の日本人とおぼしきアカウントを発見しました。  もしやと思い連絡を取ってみたところ、ゲストハウスの近所に住んでいるという話に。さっそく近所のカフェで会うことになりました。 「インスタ映え至上主義早よ終われ」と思いながらイスラエルに来て、Wi-Fiも持たず「なるべくインターネット以外で情報を得たい!」という願望を持っていたのに、インスタグラムで人と知り合うという、真逆の現象。あれ、思ってたんと違うやん……。  結局ネットに頼ってしまったと反省しつつ緊張しながら指定されたカフェで待つと、同世代の若い日本人女性が。 「この国のこと、いろいろ教えてください!」 「ごめんなさい。私も先月ロンドンから越してきたばかりなの」 「え……?!」  太陽が照りつけるテルアビブのお昼でのこと。でも、一緒に食べたクッキー、とってもおいしかったな。  同世代の雑談を終え、ぼくは聖地エルサレムへ向かうのでした。 ≪つづく≫ (大西草太)

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