菅義偉内閣の100日間、ハネムーン中の支持率急降下で〝不穏な動き〟 そもそもが消極的な支持だった?
菅義偉内閣が9月に発足してから、100日が経ちました。朝日新聞社が9月から12月にかけて行った全国電話世論調査を分析すると、菅内閣の岩盤支持層である自民支持層が〝不穏な動き〟をみせていました。(朝日新聞記者・磯部佳孝) 【画像】菅さんが会見で浮かべた〝笑み〟の写真はこちら…学術会議について問われて答えた言葉
政権安定の目安を切る
12月19、20日に実施した全国電話世論調査で、菅内閣の支持率は発足した9月の65%から、39%に急落しました。 新政権のはじめの100日間は「ハネムーン」と呼ばれ、有権者もメディアも好意的に見守ることが多いのですが、菅内閣の支持率はその期間に急降下しました。 9月から12月にかけての世論調査の内閣支持率の推移をみてみます。 ◇ Qあなたは、菅内閣を支持しますか。支持しませんか。 ▽全体 【支持する】【支持しない】 9月 =65%/13% 10月=53%/22% 11月=56%/20% 12月=39%/35% ▽自民支持層 【支持する】【支持しない】 9月 =87%/2% 10月=80%/7% 11月=83%/6% 12月=67%/16% *その他・応えないは省略 *調査方法=コンピューターで無作為に電話番号を作成し、固定電話と携帯電話に調査員が電話をかけるRDD方式。2020年9月16・17日、10月17・18日、11月14・15日、12月19・20日に、全国の有権者を対象に調査した。有効回答数と回答率は以下の通り。2020年9月固定450人54%/携帯816人52%、10月固定571人53%/携帯887人48%、11月固定623人51%/携帯924人46%、12月固定639人53%/携帯882人45%。 ◇ 支持率急落の一因に自民支持層の離反があったことがわかります。 自民支持層に限った内閣支持率でみると、9月87%→10月80%→11月83%と推移しましたが、12月は67%に落ち込みました。ただ、自民の政党支持率は、9月41%→10、11月39%→12月38%で、自民支持層の大きさはほぼ変わっていません。 つまり12月は、自民への支持は厚いまま、菅内閣への支持だけが離れた、ということになります。 菅首相は自民党のトップ・党総裁でもあります。それだけに、内閣の岩盤支持層である自民支持層の内閣支持率は、政権運営を左右します。政権を安定的に運営するうえで、7割が一つの目安になります。 安倍晋三氏の場合は、第1次政権発足から9カ月後、2007年6月末に初めて7割を切り、64%に落ち込みました。直後の参院選は惨敗し、同年9月の退陣につながりました。 2012年12月からの第2次政権では、自民支持層の支持率は7割~9割台で推移しています。7割を初めて切ったのは、財務省の公文書改ざん問題が発覚した後の2018年4月でした。新型コロナ対応に批判が集まった今年5月~6月には3回連続で7割を切り、結果として最長政権の体力を奪いました。 菅内閣は、短命に終わった第1次安倍政権と比べても、岩盤支持層がはがれる時期が早いことがわかります。