「あれはヌーディストみたいなもの?」ビル・ゲイツ、マスク着用に抵抗する人々を理解できず
パンデミックの初期、なぜマスクは重要だと考えられていなかったのか
この第1話で、ジョーンズはゲイツに、公衆衛生の専門家たちがなぜ新型コロナウイルスの感染拡大の防止にマスクが効果的だと初めから考えていなかったのかを尋ねた。 ゲイツは、パンデミックの初期、専門家たちは一般的な風邪やインフルエンザといった他の呼吸器系ウイルスについて分かっていることに基づいてアドバイスをしていたと説明。こうしたケースでは、咳をした時に感染が広がる恐れはあるものの、単に会話をしただけでも感染が広がりかねないCOVID-19に比べるとウイルスの広がりやすさが全く違うと語った。 「新型コロナウイルスに見られる信じられないほどのウイルス量が、その他の呼吸器系ウイルスの大半では生じない」とゲイツは言う。 例えば、風邪をひいた人がマスクなしで1時間、他の人たちと同じ部屋で過ごしても、大半の人は健康なままだ。だが、新型コロナウイルスに感染した人がマスクなしで1時間、他の人たちと同じ部屋で過ごすと、「かなりの割合の人」が感染してしまう。「はしかのようだ」とゲイツは言う。 「インフルエンザの咳のモデルは、間違いだったと分かった」 また、無症状の人からも広がるCOVID-19の感染力は、まれだとも指摘した。風邪やインフルエンザにかかった人は、周りに感染を広げる可能性がある時期はシンプルに体調が良くないため、家にとどまる傾向があるのに対し、新型コロナウイルスに感染した人は不調を感じないまま歩き回り、知らないうちに周りの人々を感染させる可能性がある。 さらに、今回のパンデミックで専門家たちは、お手製の布マスク(3枚重ねが理想)でもCOVID-19の感染拡大の防止に役立つと知った。パンデミックの初期には、N95マスクや医療用マスクでないと機能しないと考え、限られた物資を医療関係者のために取っておいてもらいたいとしていた。 だが、今では「(マスク着用の)メリットがとてつもなく大きいことは明らかだ」とゲイツは言う。