30代女性“子どもは絶対に産まない”。働く女性が感じるジェンダーバイアス「子どもを持たない選択を受け入れて」
子どもを持たない選択=チャイルドフリーという考え方
――子を持たない=バリキャリのように、社会が出産適齢期の女性に向ける無意識のバイアスはたくさんありそうです。 はい。それに生きづらさを感じている私のような女性も多いと思います。私は数年前に「チャイルドフリー」という言葉に出合い、気持ちが少し楽になりました。 ――チャイルドフリーとはどのような言葉ですか? 子どもを持たない選択をすることによって、自分自身の人生を豊かにしていく考え方です。こういう考え方がもっと広がっていいはずなのに、日本でこの言葉は浸透していません。今の社会はどうやって産ませようかしか考えていないですよね。もしこの記事を読んでいる方で、子どもを持ちたくないと思っている人がいたら、チャイルドフリーについてぜひ調べていただければと思います。 ――今後、どんな社会になってほしいと思いますか? 女性支援=子育て支援というのも訂正してもらいたいですね。女性支援というなら、子ども以前に「女性がひとりで当たり前に生きていける社会」を目指さないといけないと思います。 ――もし社会が変わったとしたら、細田さんは子どもを持ちたいと思いますか? いいえ。社会が変わっても子どもを持ちたいとはまったく思いません。私はもともとマルチタスクが苦手だし、何より自分の自由時間が奪われることが嫌だからです。だからといって、子どもを欲しい人が産みやすくなることへの支援は否定しません。 ですが「社会が変われば、女性は子どもを欲しがるはず」という期待のもとで政策が進められると、もともと欲しくない人や子育てより自分の自由とお金が大事だと思う人は、まるで悪魔かのような扱いに。 私のように子どもを産まないと決めている人の「子どもを産むより、自分の自由を大事にしたい」という主張が、当たり前に受け入れられる社会であってほしいと思います。
取材・文/毒島サチコ