Yahoo!ニュース

IDでもっと便利に新規取得

ログイン

“岸和田の赤ひげ先生”最後の診療 地域の人に親しまれた「耳鼻科」100年の歴史に幕

配信

  • この記事についてツイート
  • この記事についてシェア
MBSニュース

大阪府岸和田市で約100年にわたって地域の人たちに親しまれてきた耳鼻科があります。88歳の院長先生は地域の人から『赤ひげ先生』として親しまれてきましたが、コロナ禍で患者が激減。9月29日、引退の日を迎えました。

診療最終日。ゆっくりと準備をするのは院長の中井義尚さん、88歳。地域の人たちから『赤ひげ先生』と呼ばれています。

【診療の様子】 (中井院長)「これ以上太らんようにって言われない?」   (患者)「ときどき言われます。兄弟みんなこんなんやからね。」 (中井院長)「兄弟関係ない。あなた自身や。太ると負担がかかるわけよ。」

小さな子どもの診療では… 【診療の様子】  (従業員)「鼻水取るよ。」 (中井院長)「ちょっと嫌がるからしっかり抱いといて。」 いつもと変わらない診療風景。ただ…

(患者)「先生、今日で最後で聞いたので。長いことお世話になりました。寂しいですけど。ありがとうございました。」 引退を惜しむ人たちが途切れることなく訪れ、その対応に息つく暇もありません。カメラに向かって… (中井院長)「もう撮影を終わって下さい。くたびれました。」

岸和田市の住宅街の一角にある「中井耳鼻咽喉科医院」。開院したのは1922年。当時は父である義重さんが院長でした。中井さんは京都大学医学部を卒業後、京大病院の耳鼻咽喉科で勤務。43歳の時に岸和田に戻り、その後、父の跡を継ぎました。 これまでに診た患者の数はのべ200万人以上。子どもの体調管理ができていない母親を叱責して喧嘩をすることもあった中井さん。一方で、生活に困っている患者には診療代を立て替えることもありました。 (中井義尚院長) 「でも病気を治さないとあかんでしょ。それだけのことです。せっかく来ていただいてお金ないよと言われても、病気を治してあげないとあかんでしょ。」

しかし、体力の衰えに加え、新型コロナウイルスによる受診控えも、多くの患者を診ることに医師としてのプライドを持っていた中井さんにはこたえました。9月で約100年に及ぶ中井医院の歴史に幕を閉じることにしたのです。 (中井義尚院長) 「もうやりつくしましたよ。(患者が)前で涙こぼすこともありますよね。それに引きずられて10年ほどオーバーしたわけですから。」

【関連記事】