完全復活へ順調な歩み、琉球のアレックス・カークが絶大な信頼を寄せる名参謀「コーチ・マックという優れたスキルコーチがいます」
「日本に来た当初のような状態に戻りつつあります」
桶谷HCも言及したように今のカークは、この良い流れをさらに加速させていくためハードワークに励んでいる。そしてトレーニングの質を高めるのに欠かせないのが、アンソニー・マクヘンリーコーチだ。「僕たちには、コーチ・マックという本当に優れたスキルコーチがいます。彼は僕のトレーニングをサポートしてくれていて、日本に来た当初のような状態に戻りつつあります。ミッドレンジのシュート、ドライブにアリウープのダンクを決められるようになっている。引き続き調子を良くしていきたいです」 こうカークは、マクヘンリーへの絶大な信頼を寄せ、日本で長くプレーを続けていた先人への敬意を強調する。「マックは本当に素晴らしいです。彼は琉球だけでなく、日本バスケ界のレジェンドです。また、(今回対戦した越谷の)ジェフ(ギブス)もアルバルク、宇都宮で活躍を続けたレジェンドです。僕も歳をとり、日本で8年目とプレーすることで、彼らの貢献の大きさをより意識するようになりました」 ただ、ファンからすれば、Bリーグ創世記から日本でプレーを続けているカークもレジェンドの域に入りつつある認識だろう。そのことを伝えると、彼は「うーん、自分がレジェンドになってきているかはわらかないよ(笑)。例えば僕がアルバルクから、マックが琉球や信州で受け取ったリスペクトを得られるかはわからない。ただ、日本でできる限りプレーしてより良いキャリアを送りたい」と謙遜する。 今のカークはここ数年、苦しんできたコンディションの悩みから解放されつつある。「今、僕は32歳で背中の手術を3度したセンターなので、コンディションが良い時もあれば悪い時もあります」と慎重な姿勢を崩さないが、同時に確かな自信もある。 「僕たちには素晴らしいスタッフがいて、ウェイティングルームがあり、コーチは体調に気を遣ってくれています。このチームにいることができて幸運です。昔のようにダンクを連発することはできないかもしれないですが、そんなことはどうでもいいです。僕が気にするのは勝利のみです」 琉球は、新戦力の伊藤達哉が開幕戦で右肘を負傷し全治2カ月から3カ月の離脱となった。現在、出場可能なメンバーが10名と限られた中、起用法のバリエーションを広げてくれるカークこそ、少ない人数でタフスケジュールを乗り切るキーマンとなる。
鈴木栄一