初五輪19歳・本多灯に刺さった一言「練習だよ」 瀬戸大也に「どうしたら速くなれるのか」聞いた過去
◆競泳 日本選手権兼東京五輪代表選考会 第4日(6日、東京アクアティクスセンター) 【一覧表でさらに詳しく!】第4日の五輪代表内定者 男子200メートルバタフライ決勝では本多灯(ともる、19)=アリーナつきみ野SC=が、日本記録保持者の瀬戸大也(26)=TEAM DAIYA=を後半差し切り、1分54秒88の自己ベストで2連覇。派遣標準記録1分56秒25を切って初の東京五輪代表に決定した。瀬戸は1分55秒20の2位で、3種目めの五輪代表権をつかんだ。女子200メートル個人メドレーは、寺村美穂(26)=セントラルスポーツ=が2分9秒55で2年連続3度目の優勝を果たし、2大会連続の代表に決まった。 売りはラスト50メートルだ。本多がアクセルを全開にした。150メートルのターンでは瀬戸に0秒58遅れての3位だったが、終わってみれば抜き去った。準決勝に続いて自己ベストを塗り替える1分54秒88。初の五輪切符を手にした。「ほんとにうれしいの一言。最後の50で勝ちたいと思っていた。狙ったタイムは53秒だったので、ちょっと悔しい」。ラストスパートの勢いそのままに、言葉を吐き出した。 中学時代から200バタに挑戦。過酷な種目だけに競争率が低いとのもくろみだったが、今や本命になった。日大藤沢高時代に世界ジュニアで銀に輝き、五輪をより強く意識するようになった。「全ての選手の夢の舞台。表彰台を目指したい」と、野心を育んでいた。もうひとつの専門である400メートル個人メドレーで代表を逃し「200バタでは絶対取るって決めていた。倍になった気持ちをこのレースにぶつけた」と、エンジンを温め直していた。 憧れの瀬戸の背中を追ってきた。「常にどの大会でも手を抜かずにベストを狙っている。隙がない。すごい選手」。ある時、海外遠征で一緒になり「どうしたら速くなれるのか」と聞いた。返ってきたのは「練習だよ」の一言。シンプルだけに余計に刺さった。 その大先輩とともに臨む五輪。「54秒台じゃ表彰台にも上がれない。52秒台を常に意識して、まずは53秒台を出せるように。日頃の練習に励んで、大也さんと一緒に表彰台に乗ります」。野望をアップデートした。(太田 倫) ◆本田灯(ほんだ ともる) ▼生まれ 2001年12月31日、神奈川県生まれ。19歳。 ▼水泳歴 3歳から兄の影響で始める。中学時代から200メートルバタフライに取り組む。日大藤沢高時代の19年には世界ジュニア選手権の同種目で銀。 ▼所属 アリーナつきみ野SC所属。日大2年に在学中。 ▼尊敬する選手 松田丈志、瀬戸大也。 ▼趣味 プロ野球では地元のDeNAファンだが、好きな選手はヤクルトの山田哲人。 ▼家族 両親と兄2人。 ▼サイズ 173センチ、75キロ。
報知新聞社