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医師の平均時給はいくら?現場の声「お金よりも労働時間が…」

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幻冬舎ゴールドオンライン

人手不足が叫ばれている昨今。人材獲得のため、賃金を上げる動きも見られますが、医療業界に限っては、どうやら一筋縄ではいかないようです。本記事では、医療事業者向けに書かれた書籍『クリニック人事労務読本』(みなとみらい税理士法人・髙田一毅税理士/幻冬舎MC)より一部を抜粋し、医療法人の円滑な運営方法について考察してきます。

医療業界「給与が高ければ辞めない」わけではない

給与水準が高ければ、スタッフの定着率は比例して高いとほとんどの院長は考えるのではないでしょうか。しかしながら、必ずしも給与水準だけでスタッフを長期間つなぎ止めておくことはできません。このテーマについてクライアントからの問い合わせが多く、検証したことがあります。 [図表1]は、当事務所で給与計算業務を受託しているクリニックにおける医療従事者の職種別平均給与額を表したものです(当該データは2016年度における神奈川県の実際給与データの集計結果であり、市販書籍においては直近データによる公表がされていない現状を考えますと、リアルタイムの参考データとして有用であると考えます)。次に給与水準と離職率についてまとめたのが[図表2]となります。 Aは、当事務所で給与計算を代行している全クライアントのうち、平均給与額の上位50%に該当するクリニックのデータです。Bは、当事務所で給与計算を代行している全クライアントのうち、平均給与額の下位50%に該当するクリニックのデータです。 では、これらのデータからは、どのような結論を導き出すことができるのでしょうか。 まず有資格者については、給与水準と離職率は連動しない傾向にあります。言い換えれば給与が高くても定着しないということになります。看護師をはじめ有資格者については求人募集が多くかつ転職も容易にできるため、給与が高いというだけではクリニックに引き留めることが困難なのです。定着率を上げるためには、給与面だけではなく勤務シフトや福利厚生面にも配慮した全体的な労働環境の向上が必要であるといえます。 一方、受付や助手といった資格を要しない職種については、給与水準が高ければ離職率が低くなる結果となったことから、定着率に絞っていえば給与を上げることでそれなりの効果があることが分かります。よって離職によりクリニック運営に支障を来すことを考慮するのであれば、ある程度は給与水準でカバーできるということになります。 ただし言うまでもないことですが、金銭だけでスタッフを引き留めておくことには限界があり、同様に全体的な労働環境の向上は必要であると考えます。

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