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エルトン・ジョン絶賛の日本人シンガー、リナ・サワヤマが語る「人種差別」「マイノリティ」そして「音楽」について

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ハーパーズ バザー・オンライン

確かに。あなたが日本人でありながら西洋社会で育ったという二重性を見せているのがとても興味深いので、『Tokyo Love Hotel』にも触れたいです。

質問続き:私はフィリピン人ですが、両親が移民で白人ばかりの郊外の町で育ったので、少し共感できるのです。あなたは、生まれた国に共感を覚えながらも同時にアウトサイダーだと感じているようですね。 あなたにもこの感覚がわかると思うけれど、アジア人の見た目をしていることによって、自分のアイデンティティや民族としてのアイデンティティを自分がどう感じていようと、世の中はアジア人としてしか見てくれないの。内面がどれほど複雑だろうと、私は「日本で生まれたけれど、5歳の時に引っ越してきた」としか言えない。誰もそんなこと気にしない。見た目は、日本人あるいはアジア人だから。 それは大学に行ってはっきりと認識したことね。なぜかというと、私の学校はほとんどが有色人種だったから。私はまったく違う環境で育ったけれど、奇妙なことに日本はそれが本当に大好きな国のひとつなの。誰も悪いことを言わない。だから、私にとってはベストなPRになっているのよ(笑)。 でも、私は常に“東京“の無給のPR係にならなきゃいけないことにフラストレーションも感じていたわ。誰かに「どこのレストランに行くべき?」とか聞かれて。私自身は1年に1度しか東京に行かないのに、聞かれることは東京のオススメばかり。子供の頃は年に2回行っていたけど、大人になってからは家族に会いにいくお金がなくて、行けるのは年に1回。私は何も知らないのよ。東京で育ってないから、本当に知らなかった。でも、『Tokyo Love Hotel』は、カルチャーの中心として日本を利用する人に対する、ある種のフラストレーションね。

エキゾチックだと思っているのですね。

ええ。日本語を学びたいと思っている人を否定するつもりはないわ。彼らは日本文化を本当に愛しているし、住みたいと思っているし、心からつながりを感じているのだから。愛している人を差別する気はまったくないの。ただ、私はそれをやっているアーティストをたくさん見すぎているのだと思う。 それに、キャリアを始めた頃、「自分をマーケティングする時に、日本人だという事実を使うだろうか? 日本語や、漢字やカタカナを作品に使うだろうか?」と考えていたのを覚えているわ。すごくパラノイアになっていたことがあった。ロンドンである曲がヒットして、自分ではその曲が好きだったのだけれど、「私は日本を利用して何かする価値があるのだろうか?」と、思った。なぜなら、そうしたら人は私を“アニメ“みたいに見るだけだから。ゲームっぽくてグリッチーでY2Kみたいなバイブスのあるサウンドだったから。でも、もし日本人がそれをやったら、原宿とか秋葉原とか、私は絶対やりたくないバイブスになっていたとも思う。 そして、このレコードの中でもっとも重要な曲のひとつだったかもしれないわ。なぜなら、人々がTOKYOを利用してカルチャーと“カジュアルセックス”して、帰ってきてそれをベタ褒めしてはいるけれど、それほどリスペクトして扱っていないことに対するフラストレーションのようなものだから。とはいえ、私もそういう人間だとも気づいている。私も、日本で育つとはどういうことか理解していない西洋人だから。とても奇妙なグレーゾーンの歌。でも、作るのは楽しくて、一見、私が男をラブホテルに連れ込もうとして、彼を他の人とシェアしたくないと思っているように聴こえるかもしれないけれど、実はまったくそういう意味ではないの。 でも、人の注目を覆すのは好き。『XS』という曲も同じだわ。カッコつけることを歌っている曲と思っている人が多いけれど、違うのよ。

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