日本人のルーツを探れ! 台湾~沖縄、3万年前の航海は再現できるか
2017年夏に台湾から与那国島への航海を予定
今後、2016年夏には、与那国島から西表島への航海を実施する予定。そこで安全性や舟の検証などを行い、翌2017年夏には、いよいよ台湾から黒潮を横断して与那国島へいたる実験航海を行う。祖先の移住を再現するため、舟の乗員は若い男女を中心に集める考えで、与那国島や西表島在住の若者を中心に募集する予定。 課題は、プロジェクトを推進するための資金集め。舟の製作や航海の再現、記録映像の収録などの費用は、通常の公的研究資金では認められにくいと判断。今回のプロジェクトには大きな社会的意義があると考え、出資者に見返りを返すクラウドファンディングを採用した。同博物館がクラウドファンディングで資金を募るのは、これが初のケース。 必要な総額は、5000万円。今回は、おもに与那国島から西表島への航海に必要な費用として2000万円を募っている。「プロジェクト実施面の不安はありません。資金さえまかなえれば成功できると思っています」と海部グループ長は自信を示す。 また、「プロジェクトの過程で遭遇するスリリングな体験を、われわれだけで独占するのはもったいない。謎解きの面白さを共有したいと考えています」として、プロジェクトを進める際の試行錯誤や失敗、そして新しい発見も含めて途中で公開する方針を示す。 「祖先のすごいチャレンジがあったからこそ、僕たちはいま、ここにいるのです。このプロジェクトを通じて、祖先を尊敬する気持ちが生まれるのではないでしょうか。それが、プロジェクトの1つの大きな意義だと思います」と海部グループ長。プロジェクトの推進に向け、忙しい日々を送っている。 READYFOR? 3万年前の航海 徹底再現プロジェクト (取材・文:具志堅浩二)