黒部峡谷鉄道、全線開通時期は見通せず 能登半島地震で被災、復旧工事中
黒部峡谷鉄道は13日、「鐘釣橋」付近の復旧工事が2026年中の完了となる見込みであることを発表した。 【画像】貨車を載せることができる「キャニオンルート」のエレベーター 2024年1月1日に発生した能登半島地震では、鐘釣橋が落石によって被災。これにより、黒部峡谷鉄道線は、猫又~欅平間の不通状態が続いている。 同社では、鐘釣地区において、不安定岩塊の除去、岩峰底部の岩接着を計画どおり完了したものの、不安定岩塊除去後の現地調査において、新たに岩塊除去、岩接着等の対策が必要となることが判明したと説明。2025年度以降も、追加対策を含む落石防止対策工事と鐘釣橋復旧工事を実施する必要があるとしている。復旧工事は、2026年中の完了を目指しているが、全線開通時期は見通せないという。 黒部峡谷鉄道では、2025年シーズンは宇奈月~猫又間での営業運転とするが、2024年シーズンに引き続き、猫又駅で降車できる取り扱いを実施すると説明している。 黒部峡谷鉄道線の旅客営業区間の終点、欅平駅から先では、富山県が中心となり、観光ルート「黒部宇奈月キャニオンルート」の一般開放・旅行商品化に向けた取り組みが進められてきた。同ルートは、当初は2024年度中の開放を予定していたが、黒部峡谷鉄道の被災により、開始の見通しは立っていない。富山県は、同ルートの開始日や旅行商品の販売開始日については、黒部峡谷鉄道の全線開通時期が示された段階で改めて決定し、発表すると説明している。