“家を出た息子への気持ち”と“失敗続きだった母への親孝行”…感謝の気持ちどう伝える? 思い合う親子を描く漫画に反響
心の中ではお互いに思い合っていても、照れくさくてなかなかその気持ちを素直に行動や言葉では伝えることができないのが親と子というもの。そういった親と子のそれぞれの思いを描いた2つの実録漫画が話題になっている。1つ目は、反抗期を引きずっているのか、愛想のない息子をいつも心配しているという漫画家の月野まるさんの作品。月野さんは社会人1年目の長男と浪人生の次男の2人の息子を持つ母親で、離れて暮らす子どもを、親がどれほど心配しているかという心情をコミックエッセイにしている。漫画の反響や親としての思いについて話を聞いた。 【月野さん漫画』離れていても母の心配は尽きない…長男の一人暮らしに思うこと ■「長男が家を出て行ってしまう!」 悲しい夢が現実になってしまった母親が抱える思い ある朝起きると、長男の部屋が空っぽになっていて、外には引越し業者の車と長男の姿が…。「どこに行くのー!待ってー!」と呼び止めたところで、夢から目が覚めた月野さん。だが、夢でよかったと安心したのも束の間、深夜のバイトから帰宅した長男が不動産屋の封筒を持っていた。そしてその3ヵ月後に、以前見たあの夢が正夢になってしまうというのが漫画の内容だ。 漫画には「想像しただけで寂しい気持ちになりました」「3ヵ月後って、“いますぐ”と一緒だよー」「子供が出て行くとか想像出来ないです」などと、多くのコメントが寄せられた。 「自分が親になって、同じ立場になって、初めて親の気持ちがわかるんだなぁと改めて思いました。小さい頃や中学生までは家を出て行く姿なんて遠い未来だと思っていましたが、高校生になってバイトをして自分でお金を得ることができるようになり、『働けるようになったんだなぁ…家を出る日も近いのかもしれない』と思ってから家を出るまでは、あっという間だった気がします」 実際に長男さんは実家を出たそうだが、一人暮らしをすると聞いたとき、月野さんはかなり動揺してしまったという。 「長男には就職が決まった時点で、『引越し資金が貯まったら、すぐに一人暮らしするから』と宣言をされてしまい…。私の中では1~2年先だと思っていたので、『え?そんないきなり?』とショックが大きかったです。そのうち今度は、水漏れをさせたり、火の取り扱いを間違ってアパートを爆発させたりしたらどうしようとか、そんな心配ばかりが頭に浮かんでいました」 思春期の頃には、カッとなるようなことを言われたり、ぶつかり合ったりすることもあったそうだが、お互いに少しずつ成長をしていったという。そんな息子さんたちに、月野さんが抱いている気持ちとはーー。 「とにかく心身ともに元気で生きてくれれば! 人とのつながりを大切にできる大人になってほしいです。そして、子どもたち自身が幸せだと思える人生を送ってもらえたら最高です」