「腐った漬物を嫁に食べさせた」と書かれた嫁イビリのSNSアカウント。この「嫁」は…わたし⁉ 嫁姑問題をリアルに描く衝撃作【書評】
義母との同居は、よほど相性が良くなければ難しいと耳にする。お腹を痛めて産んだ息子は、いつまでも自分の大切な「息子ちゃん」だと思っている人もいるそうだ。その結果、息子の配偶者を“敵”だと思い込み、嫁イビリに繋がってしまうらしい。 【漫画】本編を読む
『優しい義母のウラの顔』(リアコミ:原作、まひろ・rummy:漫画/KADOKAWA)では、そんな義母との同居で追い詰められる妻の姿が描かれている。 主人公は、夫と娘と平和に暮らす共働きの主婦。義家族との関係も良好で、まさに順風満帆な人生を送っていた。しかし、義父の死によって日常が崩れはじめていく。 はじめは、義父の死に意気消沈している義母を放っておけず、夕食を一緒に食べるだけだった。だが、義母の様子を心配した夫から「一緒に住むのはどう?」と提案され、同居生活をはじめることになる。 この時点で義母はウラの顔を隠しており、主人公はその本性に気づくことはできなかった…。 義実家での同居生活。当初は嫁姑問題もなく、家事も育児も頼れると喜んでいたほどだった。しかし、仕事帰りの電車で見つけてしまったSNSのアカウントが原因で、その平穏は壊れていく。 「冬」という名前のアカウントのプロフィールには、「嫁への復讐を記録する」と書かれていた。恐ろしい人もいるものだと一旦スルーするが、そのアカウントに投稿された画像が自宅と一致しすぎていることに気づいてしまう。 「腐った漬物を嫁に食べさせた」という文章と共に投稿されていた画像に写っていたのは、自分が口にした食事だった。「あんなに優しい義母がそんなことするはずがない」…信じたい気持ちと疑う気持ちがせめぎ合う。 もしこれが義母のアカウントなら自分たちの生活が脅かされることになるのだから、信じたくないと思ってしまうのも無理はない。 だが、主人公がそんな葛藤に悩んでいる間にもSNSは更新され、その正体を確信するには十分すぎるほどの画像が投稿されてしまい――。 はたして主人公は義母との問題を解決し、平穏な毎日を取り戻すことができるのか。SNSを使った嫁姑戦争の行方から、今後も目が離せない。 文=ネゴト / 押入れの人