【ボクシング】「浪速のドネア」辻永遠が亀田興毅氏と契約 “爆竹パンチ”で「将来はタレント」
「浪速のドネア」で全国デビューを狙う。 ボクシング日本スーパーバンタム級4位の辻永遠(とわ、24=勝輝)が、亀田興毅氏(38)がプロモートする「3150×LUSHBOMU」と選手契約を結び、29日に大阪・堺市の所属ジムで会見した。 辻はプロで10戦9勝(6KO)1敗のハードヒッター。唯一の黒星も試合中に肩を脱臼するアクシデントに見舞われたものだった。興毅氏は「将来のチャンピオンになれる素材」と評価し、契約に至った。 売りは世界5階級制覇王者ノニト・ドニア(42=フィリピン)に“激似”の顔。数年前から「似ている」と周りから言われて意識し、動画を見るなどして研究した。「レジェンドなんで言われてうれしかった」。デビュー当初はドネアが得意とする左フックばかりを練習した。興毅氏も「おもろい」と喜んだ。 最初に空手を始め、高校の名門・興国高でボクシングを始めた。しかし、実績は残せず、進学した駒沢大も2年で中退した。アマ戦績は17戦で6勝11敗でKO・RSCもない。アマでは完全に無名だったが、勝輝ジムで覚醒した。 同ジムの大川和彦会長の「プロではパンチがないと通用せん」という指導で徹底的に磨いた。重点ポイントは背筋。大川会長は「打った時に爆竹が爆発するイメージで」と“爆竹パンチ”を教え込んだ。その成果が9勝6KO。破壊力を得てまずは日本タイトルを目指していく。 「浪速のドネア」はメディア好き。「将来はタレントになりたい」と言い、今回の契約も「たくさんメディアに取り上げられたい」とよこしまな色気も見せる。 次戦に関しては近日中に発表予定。「浪速のドネア」で名前を売るにも、実績が伴わなければ苦笑される。「昔からテレビで見ていた興毅さんに見つけてもらえたのがうれしい。声をかけてもらった時は跳び上がって喜びました。必ず期待に応えたい」。ここから辻の新たな人生が始まる。【実藤健一】