新しい試みが続々、長崎・五島列島の福江島、半泊で過ごす癒やしの休日。
福江島・半泊(はんどまり)で過ごす、静かな時間。
半泊集落は福江島の中心から北に車で30分ほど細い山道を走った先にある。潜伏キリシタンが移り住んできたが、土地が狭すぎたため半数がとどまり、残りの人々は他のエリアに移住。そこから半泊と呼ばれるようになったそう。
現在はわずか5世帯が暮らす小さな集落ながら、この土地に魅せられた人たちが新しい試みも始めている。青の色合いを刻々と変える海を眺めながら、玉砂利の海岸をそぞろ歩けば、日々の疲れが癒えていくのを感じるだろう。
半泊教会
集落で愛されてきた小さな教会。 1922(大正11)年に鉄川与助の施工で完成。アイルランドにキリスト教を広めた聖パトリックに捧げられたこの教会は、アイルランドからの浄財も建設資金に。内部は三廊式、ステンドグラスにはアイルランドの国花(三つ葉のクローバー)が施され、白い壁と柱や天井の緑がかった明るい青色が清らか。周囲の防風石垣は海岸の石で作られたもの。
●長崎県五島市戸岐町半泊1223 9時~17時(冬期は16時)(ミサや冠婚葬祭時には見学不可) 拝観無料
半泊教会の隣に位置するクラフトジンの蒸留所。大手酒類メーカーで人気商品を手がけた3人が独立して立ち上げた。ここで造られているジンは、「風景のアロマ」がテーマ。
キーボタニカルは五島のシンボル・椿の実で、ジンには欠かせないジュニパーベリーを含めて17種類ものボタニカルを使用。そして、それぞれの個性が際立つようひとつずつ蒸留してからブレンドしている。
まとめてブレンドすることが多いジンとしては珍しい手法だそう。椿の実は深くやさしい味わいで、ほかのボタニカルを調和する役割を果たしている。島の山麓を流れる超軟水の湧水を使い、複雑なアロマを感じながらもすっきりした味わい。椿の花をモチーフに、半泊の海の色を表現したボトルも美しい。
●長崎県五島市戸岐町1223・5 営業時間:10時~15時 日曜、年末年始休 土曜の11時と14時から蒸溜所説明ツアーを実施。 予約不要、試飲なし。