次世代戦闘機の実寸大を公開 日本が“空の防衛”強化する理由【WBS】
日本・イギリス・イタリアの3カ国が共同で開発している次世代戦闘機の実寸大の模型が22日、イギリスで初めて公開されました。この次世代戦闘機の開発をはじめ日本ではいま、空の防衛を巡る動きが活発になっています。その背景には何があるのでしょうか? ロンドン郊外で22日から始まった世界最大級の航空見本市「ファンボロー国際航空ショー」。会場には、日本の三菱重工業やIHIなどおよそ1500の航空関連企業が出展し、技術力をアピールしました。 中でも人だかりができていたのが「GCAP」と書かれたブース。日本、イギリス、イタリアが共同で進める次世代戦闘機の実物大模型がお披露目されたのです。全長およそ20メートル。GCAPとはこの次世代戦闘機の共同開発事業のことです。 次世代戦闘機は高いステルス性能や無人機などと連携する高度な戦闘能力などを備えたものになる予定で、国土を海に囲まれた日本にとって、防衛の要ともなり得る重要な開発です。 開発を急ぐ背景には、軍事力を強める中国の存在が念頭にあるとみられています。 GCAPに参画するイギリス「BAEシステムズ」のジョン・ストッカー氏は「信じられないほどのスピードでこのプログラムを推進している。脅威の進化がわれわれを動かし、3カ国の防衛当局と緊密に協力しながら、これらの脅威に対応するソリューションを開発している」と話します。 ただ、次世代戦闘機の開発を巡っては、懸念もあります。今月発足したイギリスのスターマー政権が開発費の高騰への懸念から、共同開発を見直す可能性があると複数の現地メディアが報じていました。 これに対し、22日に会場に姿を見せたスターマー首相は「これは重要なプログラムだ。私の見解では計画はかなり前進している」と計画の重要性を強調する一方、開発の今後については明言しませんでした。 また、イギリスで開かれた日本、イギリス、イタリアの防衛相会合では、共同開発の重要性を改めて共有し、引き続き協力を進める方針で一致しました。