総裁選直後は株価が急落したけど......"波乱相場"でも手堅く勝てる「石破株」10選!
■注目は防衛株、防災株、そして銀行株!? では、今後注目されそうな個別株のテーマは? 平野氏が続ける。 「石破首相といえば、最初に想起されるのが防衛の専門家であるということ。軍事オタクといわれるほどの知識を持つことに加え、防衛庁長官、防衛大臣を務めた経験もあります。不安定な東アジア情勢が続いていることもあり、防衛関連の支出増は堅いでしょう。 防衛関連といえば三菱重工業などの巨大メーカーが注目されやすいのですが、投資妙味があるのは新明和工業。救護用の飛行艇や訓練支援機などの製造・整備を手がけています」 同社の株式時価総額は約1000億円で、三菱重工業のおよそ77分の1に過ぎない。ただそれは株式投資においてはプラスに変わる。仮に今後防衛が株式市場のテーマとなって資金がなだれ込んだときに、時価総額が大きい銘柄は少々の資金流入ではなかなか勢いがつかない一方で、時価総額が小さい銘柄は大幅な株価急騰が期待できるからだ。 「現状の株価はPBR(企業が保有する資産と株価の比率で、1倍切りが割安度の目安となる)が0.88倍と明らかに割安です。すでに株価は上がり始めていますが、PBR1倍の1620円までは堅いでしょう」 自民党総裁選で注目を集めたのが、党員票が都市部の高市氏、地方の石破氏と明確に分かれたこと。かねて地方創生を掲げてきたことに加え、「防災庁」創設をスローガンとしていることから、土木・建設関連も恩恵が大きいと平野氏は語る。 「全国的に土木工事の需要が盛り上がれば、その追い風を最も強く受けるのは、スーパーゼネコンの一角である大林組です。土木の実績を積み重ねており、業績も2022年から上昇トレンドに乗っています。4.4%の高配当利回りでありながら、今期も3年連続の増配を見込む優良銘柄。株価は現在1800円台ですが、来年前半までに2400円到達を期待します」 そして最後に、忘れてはいけないのが「デフレ脱却」銘柄だ。総裁選をリードしていた高市氏が日銀の利上げ反対を表明していたことで、売られていた銀行株の復活は大いに期待できるという。 「本来、無用な引き締めをせず穏当な経済運営を続ければ、金利はおのずと緩やかに上がっていきます。そうなれば、銀行株の中でも特に収益性の高い三井住友フィナンシャルグループの出番です」 旗艦である三井住友銀行の「Oliveアカウント」をベースに、証券・カード会社との連携を深化。三大金融グループの中で最も勢いに乗っている。 「3.5%の高配当利回りで株価はまだまだ割安でありながら、連続最高益・連続増配を更新中です。株価はPBR1倍水準の3800円はもちろん、4000円台まで突き抜けてくれることを期待します」 平野氏が紹介した銘柄は表にまとめたので参考にしてほしい。最低購入金額が50万円を超える銘柄もあるが、ネット証券各社が100株単位でなく1株単位から購入できるサービスを用意しているので、利用するのもよいだろう。 取材・文/日野秀規 写真/時事通信社