松本幸四郎&尾上松也ら、迫力あるビジュアルで勢ぞろい あす30日から歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』公演
歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』があす30日から新橋演舞場で始まるのに先立ち、29日に公開舞台稽古が行われ、出演者が囲み取材に応じた。 【写真】ほっこりじゃれ合い⋯被り物で顔を隠される尾上右近 主人公・ライとエイアン国の武将・サダミツの二役をダブルキャストで勤める松本幸四郎、尾上松也をはじめ、中村時蔵、坂東新悟、尾上右近、市川染五郎、澤村宗之助、大谷廣太郎、市川猿弥、片岡亀蔵、坂東彌十郎が参加した。 黒地に金色の装飾の衣、重厚感のある冠を身に着けた幸四郎に対して、松也は金糸の模様を施した赤の衣に、長い金のかぶり物を着けた姿で登場。そのほかの出演者も、個性豊かなキャラクターを象徴するかのようなメイク、衣装で現れた。特に、白塗りの顔に目の周りを黒く、口は笑みを浮かべているかのように赤く塗っている宗之助の「私の顔を見て某ジョーカーが思い浮かぶかと思いますけれども、ジョーカーではございません」というあいさつに会場からは笑いも。 さらに、大きなかぶり物をしている松本と松也に挟まれて立った右近は真面目な話をしようにも、たびたび、2人から顔を隠されるというじゃれ合いで報道陣を和ませていた。 『朧の森に棲む鬼』は松竹と劇団☆新感線がタッグを組んだ「InouekabukiShochiku Mix」シリーズのオリジナル作品として製作され、2007年に市川染五郎(現:松本幸四郎)を主人公に初演が行われた。華やかでダイナミックな演出が話題となり、人気を博した。そして、今回“歌舞伎NEXT”として約17年ぶりに復活。また、歌舞伎NEXTとしては2015年の『阿弖流為』に続く第2弾となる。 物語は、シェイクスピアの『リチャード三世』を下敷きに、源頼光の大江山での「酒呑童子伝説」を融合させ、嘘と欲望に支配される男の栄光と破滅を描いている。 公演は新橋演舞場が12月26日まで。博多座は2025年2月4日から25日まで。