楽天・太田光 武器の強肩でアピール!/チームを支える扇の要
まさに正確無比。完璧なスローイングだった。6月17日の巨人戦(東京ドーム)。1点リードの8回の守備から、途中出場した太田光がいきなり魅せた。 【選手データ】太田光 プロフィール・通算成績・試合速報 二死一、三塁と一打逆転のピンチ。一塁走者の門脇誠が初球から二盗を試みた。だが、太田は自慢の強肩で二盗を阻止。窮地を脱したチームは2対1で逃げ切った。 今季、チームは状況に応じて3人の捕手を起用している。2年目の安田悠馬は長打力が武器。ベテランの炭谷銀仁朗は豊富な経験を生かした巧みなリードが自慢。ただ、7月6日までの74試合を消化した時点で、最も多く先発マスクをかぶったのは太田だ。 安田は同19試合、同22試合の炭谷に対し、太田は34試合で先発マスクを任された。武器は、やはり肩。20年は67試合に出場し、盗塁阻止率でリーグトップの.333をマーク。今季も二塁までの送球タイムは約1秒9と3捕手の中で最も速い上にコントロールもいい。同日時点で、3捕手の中で最も多い50試合に出場しているのも、首脳陣からの期待と信頼の表れだ。 キャッチングを含めた守備力でも一定の評価を受ける。ただ、基本的に田中将大の先発時には安田が、早川隆久や岸孝之の先発する際は炭谷が先発マスクをかぶる。より多くの投手から信頼を得るためには、さらにリード面を磨く必要がある。 今季は「130試合出場」を目標に掲げた扇の要。ルーキーイヤーの2019年には嶋基宏のプレーからも学んだ5年目捕手は、攻守ともさらなるレベルアップを果たし、正捕手の座をつかみ取る。 写真=BBM
週刊ベースボール