心にも家計にも影を落とすコロナ禍。親子が感じているストレスは?
2020年は誰もが予想できなかった出来事が起き、いまだに出口が見えてきていません。子どものいる家庭では、3月から6月にかけて臨時休校という前例のない事態に直面するなど、試行錯誤の連続で親子ともどもストレスの溜まりやすい日々を過ごすことになりました。 休校が終わっても以前のような学校生活が送れないことは、親にも子にも確実に大きな影響を与えています。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大が親や子の心理状況や家計にもたらした変化を考えます。
自分より家族の感染が心配
国立開発研究法人 国立成育医療研究センターでは、新型コロナウイルスによる子どもや保護者の心理状態の変化に関する調査を実施。「コロナ×こども」と銘打った調査の第1回は、休校期間中の4月30日から5月31日に7歳から17歳の子ども及び0歳から17歳の子どもの保護者を対象に行われました(回答者数のべ8707人)。 その中で、「自分がコロナにかかってしまうのが心配」という設問に関しては、回答者が子どもの場合、小学生では「心配」が70%を超えるものの年齢が上がるに伴い割合が減少。また、小学生から中学生の子を持つ保護者では80%台でしたが、高校生の子がいる保護者は75%程度とやや低くなっています。 一方、「家族がコロナにかかってしまうのが心配」という問いに「心配」と回答した割合は、子どもも保護者も「自分がかかるのが心配」より5%から10%高いという傾向がみられました。特に未就園児から中学生の子を持つ保護者は90%以上が「心配」と回答。親も子も「自分よりも家族が感染してしまうことが心配」と考える人が多いことが分かります。
コロナにかかったら秘密にしたい
「コロナ×こども」の第2回調査実施は、学校再開後の6月15日から7月26日。親子とも対象年齢は第1回と同様で、回答者数はのべ6772人でした。第1回とは異なる設問も登場し、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中で親子がそれぞれどんな意識を持っているのかが示されています。 たとえば、新型コロナウイルス感染に関した複数の設問の中で、子どもの47%が「もし自分や家族がコロナになったら、そのことは秘密にしたいと思う人が多いだろう」と考えていました。学年別で見ると、中学生にあたる12歳から14歳が60%を超えており他の層より突出しています。 しかし、同じ設問に関しては保護者の方がより反応が大きく、73%の保護者が「コロナになったら秘密にしたいと思う人が多いだろう」と回答。裏を返せば、新型コロナウイルス感染への偏見や風評被害を恐れる人がかなりいるということなのでしょう。 このように、学校が再開されたものの、感染リスクと隣り合わせの中での人々のリアルな心理状態が垣間見えます。 一方、ストレス反応に対する子どもへの質問では、小学校1年生から3年生の半数近くが「コロナのことを考えると嫌な気持ちになる」と答え、高校生の約57%が「最近、集中できない」と回答しました。このように、学校再開時期に行われた第2回の調査では、子どもたちの心が何らかの形でネガティブな影響を受けていることが明らかになりました。