ヤマトHD、新たな電動自転車で配送実験――荷物BOX着脱可能、輸送効率化も
ヤマトホールディングス(HD)は11月13日、3輪電動自転車を使った新たな集配実験を19日に開始すると発表した。電動自転車はこれまでも配送業界で使われてきたが、今回のタイプは荷物BOX部分が着脱式となっている。実証実験を踏まえた上で全国での本格稼働を目指す。特に、着脱式BOXの特徴を生かし集配の効率化を図るのが狙い。 【画像】ヤマトの新たな集配イメージ
千葉・市川で実施
集配・配達の実証実験は千葉県市川市の一部エリアで実施する。今回実験で使うのはドイツのベンチャー、RYTEL社(ブレーメン)の3輪電動自転車で全長270センチ、最大積載量120キログラム。海外では欧州を中心に既に物流業界で導入されている。 配送用の電動自転車は免許不要な上、二酸化炭素を排出せずエコといった利点を持つ。加えてヤマトHDの担当者によると、今回の自転車は車体後方にある荷物部分のBOXが着脱可能な点がポイントで、効率的な集配システムの構築につなげるという。 一般的に運輸業界では、大型ターミナルからもっと小さな集配センターへと段階を踏んで荷物を仕分けていき、最終的にユーザーの元へ配送する仕組みを取っている。一方、今回の電動自転車を実際に導入すれば、BOXに狭い1エリア分の荷物をあらかじめ大型ターミナルで事前に仕分けて入れることができ、中間にある集配センターを介さずに各エリアに配送することが可能になるという。
法規制クリアし本格導入へ
例えば、「宅配ボックス」のように配送された荷物をユーザーが受け取りに行けるスペースを各エリアの空き地などに設け、大型ターミナルから直接この電動自転車でBOXごと荷物を届ける、といった運用を想定している。配送業界の輸送工程で大きな手間だった仕分け作業の短縮を図る。 ただ、現状ではこの電動自転車の積載量や機能が日本の規制と適合しない部分もあり、実証実験ではまずBOX部分を固定して運用する。実験結果を踏まえて規制をクリアするよう改良し、本格導入を目指す。
ITmedia ビジネスオンライン