【最後の1回で失敗したらお終い】高配当株億り人・かんちさんの教え「資産形成はギャンブルじゃない」、まずは地道に貯めるべき「目標金額」とは
高配当株投資の達人として知られる元消防士・かんちさん(63)は、資産8億円超で年間の配当金は2000万円超となる。49歳の時に早期退職して、現在は専業投資家だ。投資歴40年以上で保有銘柄は600を超える超分散投資型のスタイルで、『ほったらかしで年間2000万円入ってくる 超★高配当株投資入門』(ダイヤモンド社)はベストセラーになった。かんちさんに、長い人生を安心して過ごすうえで必要な投資の心得を聞いた。
「高配当株投資は時間をかけて資産を増やしていく手法です。増収増配の銘柄をきちんと選んで、配当金を再投資に回せば少しずつですが着実に資産が増えていく。短期間での成功を望む人には不向きでしょうが、無理なく資産を増やしていく手法として“投資の王道”だと考えています」(かんちさん、以下同) かんちさん自身、22歳から投資を始め、少しずつ資産を増やしてきた。現在は生活費のすべてを配当金で賄っているというが、そうした状況を目指すには現役時代からコツコツと投資を続けることが重要だといい、定年後にいきなり投資を始めても難しい面があるという。 「会社員なら給料やボーナスが出るたびに、その時に一番いいと判断した銘柄を少しずつ買い足していけばいい。一方、収入が年金だけになってしまうとちょっと厳しいですね。そうならないためには、定年のタイミングで3000万円くらいないといけない。だからこそ、現役中からコツコツと貯金のように投資していく“貯株”が大切でしょうね。 仮に『年金+配当金月10万円(年120万円)』くらいの生活がしたいなら3000万円必要だと思います。その水準に持っていければ、配当金を生活に使っている限り、資産は減りませんからね。増配になればむしろより豊かになる」
資産形成はギャンブルではない
自身の投資歴を振り返りながら、かんちさんはこうも話した。 「私が投資をやるようになってからバブルがあったので、22歳で始めて10年ぐらいで3000万円に到達しました。もちろん、投資に回せる額にもよりますが、定年を迎える前からコツコツ時間をかけて資産を増やすことが大切です。一攫千金というのはダメだと思います。一時的にたまたまうまくいったとしても、その味が忘れられずに、そういう張り方ばかりしがちになる。そうすると、“最後の1回”でやられたら、すべてが台無しになる。資産形成はギャンブルではないんです」 投資の心得について、「地道にやらないといけいない」と説くかんちさん。別記事『【6つの厳選銘柄を紹介】配当金が年2000万円の億り人・かんちさんが教える「銀行株」と「総合商社株」購入のタイミング』では、かんちさんが注目する個別の高配当銘柄について解説している。 【プロフィール】 かんち/資産8億円、年間配当金2000万円超の専業投資家。元消防士。49歳の時に株式投資で資産2億円を築いたことで早期退職した。投資歴40年以上で、保有銘柄は600を超える超分散投資型で、ポートフォリオ(資産割合)は「高配当株5、優待株3,成長株2」となっている。『ほったらかしで年間2000万円入ってくる超高配当株投資入門』(ダイヤモンド社)がベストセラーになっている。