Instagram、「リール」をフォロワーに公開する前にテストできる機能を発表
クリエーターエコノミーの市場規模は、今や2500億ドル(約38兆円)規模に達していると見られる。コンテンツ制作をビッグビジネスに押し上げる上で大きな役割を果たしてきたのは、クリエーター主導型のソーシャルメディアサイト、とりわけ「TikTok」だ。そこで競合のプラットフォームは、自社サイトにクリエーターを呼び込み、囲い込む新たな手段を模索している。特にInstagramは、小規模企業やクリエーター向けにアプリをプロ仕様にすることを目指した新機能を導入したり、ユーザーにおすすめコンテンツを表示する方法を変更したりするなどの手を打ってきた。 そのInstagramが米国時間12月10日、「trial reels」(トライアルリール)と呼ばれる機能のグローバル展開を発表した。この新機能は5月からテストが行われていたもので、クリエーターは新しいイノベーティブなリールのアイデアをフォロワーにシェアする前に、フォロワー以外のオーディエンスに公開してテストできる。 トライアルリールは、まずフォロワーでないユーザーにのみ表示され、クリエーターはパフォーマンスに関する指標(再生回数、「いいね!」、コメント、シェアなど)を公開から24時間測定できる。クリエーターは、そのパフォーマンスデータを確認することで、実際のフォロワーにシェアする価値があるかどうかを判断できる。 クリエーターは、トライアルリールが期待どおりのパフォーマンスを上げていると判断した場合にそのリールをフォロワーにシェアするだけでなく、公開から72時間以内に獲得した再生回数に基づいて、自動でシェアするように設定することもできる。 この新機能の狙いは、クリエーターが今までと異なる新しいコンテンツをテストし、すでに獲得しているフォロワーに悪影響を与えないようサポートすることだ。 現時点で、このような機能はInstagramにしかなく、TikTokは、クリエーターが今までと異なるタイプのコンテンツをテストしてパフォーマンスを分析する手段を提供していない。Instagramはこれまで、マネタイズやサポートの面でコンテンツクリエーターやインフルエンサーに対するアピールが不足しているとの批判を受けてきたが、ようやくクリエーターのためになる変更を実施できたようだ。 Instagramによれば、クリエーターはリールの作成後に「Trial」(トライアル)オプションを切り替えることで、この新機能を有効にできるという。有効にすると、そのリールはフォロワー以外のユーザーにのみシェアされ、クリエーターのプロフィールグリッドやフォロワーのリールタブには表示されない。ただし、フォロワー以外のユーザーがトライアルリールをフォロワーに直接シェアすれば、そのリールがフォロワーに表示される可能性があるので注意してほしい。 この新機能は今後数週間かけて、プロアカウントを所有している世界中のユーザーに提供される予定だ。 この記事は海外Ziff Davis発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。