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フレンチアイビーの師匠、ケンゾーとの早すぎる別れ

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NIKKEI STYLE

《@ニュースなルック》コラムニスト いであつし

 記者会見でのスーツ姿、人気ドラマの主人公のファッションなど、メディアで話題にのぼる人の着こなしは気になるもの。そんな「ニュースな人」のファッションの背景にあるものとは。男性ファッションに詳しいコラムニスト、いであつし氏が解説します。 【写真はこちら】惜別! 世界で輝いたケンゾー

■パリでブーム起こした「KENZO」

 つくづくコロナが憎い。日本を代表する世界的なデザイナー、高田賢三氏が新型コロナウィルスの感染で亡くなった。享年81才。ケンゾーの偉大なる人生のランウエーの幕を閉じるには、まだまだ早すぎる。  今どきの若い世代はケンゾーというと、「KENZO」とデカデカとブランドロゴとタイガーのイラストが描かれた大阪のおばちゃんが着るようなビックシルエットのスエットを思い浮かべるだろうが、あれは高田賢三氏からブランドを引き継いだクリエーティブディレクターのウンベルト・レオンとキャロル・キム時代のコレクションである。  やはり筆者の世代にとってKENZOといえば、それこそ今のこのコロナ禍で閉塞した重苦しい時代の気分を一掃してくれるような、華やかで、かわいくて、明るくて健康的な、花柄のギャザーが入ったティアードミニスカートスタイルだ。  若かりし頃に高田賢三氏が船でアジアや中東、アフリカを回って渡欧した時に寄港した先々の町で見た多彩な民族衣装からヒントを得て生まれた、「フォークロアルック」と呼ばれる、パリで大ブームを起こしたKENZOの代表的なコレクションのひとつである。  日本でも1980年代の中ごろ、KENZOのティアードミニスカートや、同じくパリで活躍していた日本人デザイナーの入江末男氏が手掛ける「IRIE」、島田順子氏の「49AV.JUNKOSHIMADA」などが、パリジェンヌのスタイルに憧れる女性たちの間で人気になった。  雑誌「アンアン」では、ファッションと共にパリで暮らすデザイナー自身のおしゃれなライフスタイルがよく特集された。当時付き合っていた彼女に、KENZOの花柄のティアードミニスカートやイリエのマイクロミニスカートに「トキオクマガイ」のアニマルモチーフのパンプスをはかせて、憧れのパリジェンヌを気取ってもらったものである。いやはや筆者も若かったのだよ。  この頃のアンアンは男性が読んでも面白かった。なにしろSNSも何もない時代である。リアルなパリの情報を得られるのが当時のアンアンであったのだ。とりわけ筆者が食い入るように見ていたページが、誰あろう、高田賢三氏本人が出ているページである。  ラルフ・ローレンしかり、ジョルジオ・アルマーニしかり、よくデザイナー本人の普段の私服スタイルこそが一番おしゃれで着こなしの参考になると言うが、筆者にとっては高田賢三氏の私服スタイルがまさにそれである。

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