知らないと危ない…栄養価の高い【モロヘイヤ】毒があるって本当?安全においしく食べるポイントとは
栄養価の高いモロヘイヤは、暑い夏の健康管理におすすめの夏野菜です。古代エジプトの王が重い病に侵された際にモロヘイヤのスープで全快したとの逸話の残るほど栄養価が高く、アラビア語で「王家の野菜」を語源としているともいわれています。しかし、毒を含んでいると聞いたことがある人は、「そのまま食べて大丈夫?」と心配になりますよね。モロヘイヤを安全においしく食べるポイントをお伝えします。 〈写真〉知らないと危ない…栄養価の高い【モロヘイヤ】毒があるって本当?安全においしく食べるポイントとは ■栄養価の高いモロヘイヤは緑黄色野菜の中でもトップクラスの実力 カロテンとカルシウムの含有量は緑黄色野菜の中でもトップクラス。中でもβ-カロテン、ビタミンC、ビタミンEなどの強い抗酸化作用をもつビタミンの含有量はケタ違いのレベルで、その高い美容効果でクレオパトラも好んで食べたという伝説もうなずけるほど。カルシウムもほうれん草の約5倍含まれています。 下ゆでしたり刻んだりした時にみられる特有の粘り気は、食物繊維の一種です。血糖値や血圧の上昇抑制、胃腸粘膜の保護、たんぱく質消化の促進に働くといわれています。 ■モロヘイヤには毒がある? モロヘイヤは、種子、サヤなどに有害な成分が含まれているといわれており、誤って摂ってしまうと、めまいや吐き気、ときには重症化することもあるといいます。とはいえ、一般に流通しているものはサヤをつける前の若い葉のため、心配することはありません。モロヘイヤは育てやすく家庭菜園でも人気が高いため、家庭で栽培している場合は十分な注意が必要です。 ■モロヘイヤを安全においしく食べるポイント 毒ではありませんが、モロヘイヤはアクが多く、えぐみも強く感じます。そのため、生で多く食べると体に不調が起こることも。炒め物や天ぷらなどにして食べる場合のほかは、下ゆでは必ずするようにしましょう。20~30秒ほど塩を少々入れた熱湯でゆで、冷水にさらしてザルに取り絞っておきます。モロヘイヤは葉の部分をつみとって食べますが、柔らかい茎の部分も食べることができます。茎の部分は火の通りが遅いので、別に調理するか、時間差で加熱するようにしましょう。 モロヘイヤは高い栄養素とトロトロと粘りのある食感において唯一無二とも称される野菜。火を通しすぎると栄養素も食感も色合いも損なってしまうので、さっと加熱がおすすめです。ぜひ夏の食卓の彩り加えたいですね。 参照: ・「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」 ・「日本の食材図鑑 (新星出版社)」 ・「やさい(幻冬舎)」 ・「野菜の栄養素まるごと便利帳(X-Knowledge)」 ライター/大槻万須美 管理栄養士・フードスタイリスト・腸内ケアフードアドバイザー。楽しく食べて健康に。食の大切さを伝えるため、離乳食講座などの料理教室、バレエダンサーやアスリートのパーソナル栄養サポート、レシピ・コラムの提供など幅広く活動。子どもの頃の毎年の米作り経験から、身近な食体験の重要性についても実感し、おとなと子どもの食育サポートにも力を注いでいる。 協力/NS Labo
NS Labo(栄養サポート研究所)