東京女子医大、管理体制を再構築 不正再発防止へ改善報告書
同窓会組織の一般社団法人「至誠会」を巡る不透明な資金の流れがあり、第三者委員会からガバナンス(組織統治)不全を指摘された東京女子医大は13日、改善報告書を公表した。岩本絹子元理事長(解任)による専横的な法人経営を阻止できなかったとして、内部管理体制を再構築し不正の再発防止を図る。 清水治理事長は記者会見で「研修や教育を通じ、コンプライアンス意識を組織全体に浸透させていく」と述べた。 報告書によると、大学の経営統括部の業務を岩本氏の知人が経営する会社に委託していたことなど、第三者委が指摘した一連の不正支出や利益相反行為を踏まえ、理事長への権限集中を防ぐため他の部門担当理事との兼務を禁止。理事長の直轄部署が窓口となっていた内部通報制度を見直し、外部通報制度も導入する。 教員の採用や昇進に至誠会への寄付を関連させて評価する制度は廃止。医学部生の親族対象の推薦入試で受験生側から寄付を受けていた問題を受け、入試制度を見直す。
今後岩本氏らの法的責任を明らかにして民事・刑事両面で追及するとした。