【人間関係】相手が不機嫌にならないように気を使いすぎる人が意識すべき4つのこと|臨床心理士が解説
あなたは「人を不機嫌にしてはいけない」「人を楽しませないといけない」と過度に責任を感じていませんか? もしそのために対人関係が苦しくなっている人は今回の記事を参考にしてください。 もし相手の機嫌を取ることを子供のころから習慣的に行っている場合は、ほぼ無意識でやってしまい、機嫌を取っていることにすら気づかないかもしれません。例えば、「理想の彼女の役を演じる」「理解のある友達の役を演じる」「相手の求めるようにふるまう」など、先回りして相手の機嫌を取ってしまうこともあるでしょう。相手の機嫌を損ねずに、関係を良好に保つことは、一見自分のための行動にみえます。しかし、その時に犠牲になっているものは何でしょうか。相手の反応を気にし続けることは、とてもエネルギーを使うことです。そして、自分の気持ちを抑えたり、無視したりする分、気付かぬうちにストレスを溜めてしまいます。あなたが気持ちを先回りしてケアする分、相手はあなたを分かってくれる存在のように感じることでしょう。しかし、あなたが先回りのケアをしなくなった時、あなたが苦しくなって本当の気持ちを出した時、ふたりの関係性は突然崩れてしまうかもしれません。
自他の境界線とは
自他の境界線とは、「自分と他人は別のもの」という感覚です。生まれたての赤ちゃんは自他の境界がはっきりしていなく、養育者と一体化した状態です。どこまでが自分でどこからが自分ではないのか曖昧です。そのため、自分の欲求は養育者が満たしてくれ、それは自分の力だという万能感をもっています。しかし、発達していく中で欲求は必ず満たされるわけではなく、段々と自分と養育者は別のものであると気づくようになります。 自他の境界線が曖昧なままだと、気持ちの不安定さや、対人関係で様々なトラブルが起きやすくなります。他者からの影響を受けやすく、振り回されたり、傷つきやすいです。そして、自分の考えを他者に押し付けてしまうことや、人の問題を自分のせいのように感じ、なんとかしなきゃと責任をおってしまいます。人がつらいときに自分も一緒につらさを感じるべきだと思ったり、他者から嫌われることが過剰に不安になったりします。 自他の境界線は曖昧で変化しやすいものです。例えば、ストレスが強い時、相手が近しい関係の時に曖味になりやすいです。また、他者からの評価を重視する文化や環境だと自他の境界線も育ちにくいでしょう。このように、自他の境界線の曖昧さは誰にでも起こりえることで、状況や相手によって変化がしやすいことを自覚し、以下の対処法を参考にしていきましょう。