マーティン・スコセッシ、ジェームズ・キャメロンらハリウッドの監督70人以上がアメリカ議会に映画館支援を求める
今週、ハリウッドの70名以上の映画監督が議会に公開書簡を提出。ジェームズ・キャメロン、マーティン・スコセッシ、クリント・イーストウッドという大御所監督を始め『ブロークバック・マウンテン』 のアン・リー、『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』のグレタ・ガーウィグ、『TENET テネット』のクリストファー・ノーラン、『ゲット・アウト』のジョーダン・ピール、『グランド・ブダペスト・ホテル』のウェス・アンダーソンら70名以上の映画監督やプロデューサーが差出人として名前を連ねている。また映画館経営者団体「 National Association of Theater Owners」、全米監督協会、アメリカ映画協会も賛同している。
監督たちは「公的資金による支援がなければパンデミックの影響を受けた映画館は生き延びることができない」とコメント。新型コロナウイルス感染症の拡大を食い止めるために営業停止を余儀なくされた映画館の窮状を訴えている。「映画はアメリカの才能や創造性が生み出さずにはいられない最高のものを象徴する、必要不可欠な産業である。でも私たちは今、その未来を憂いている」。このまま支援がなければ映画産業に従事する15万人のうち2/3が失職するだろうと説明。「映画館が我々にもたらす社会的、経済的、文化的な価値を失うことは受け入れられない」と主張、政府に支援に求めている。
書簡では感染症も収束せず、支援もないという状態が続けば、アメリカの小中規模の映画館のうち69%が破産を申請するか閉館するだろうというショッキングな数字も提示されている。配信という新たなスタイルが普及しても、作り手と観客を結ぶ場である映画館は映画界にとって重要な存在。各国の映画産業が同様の影響を受ける中、世界最大の映画産業を有するアメリカで議会が監督たちの要望にどう答えるのか、注目したい。