弘前城石垣100年ぶり元の姿に
弘前城本丸(青森県弘前市)で7年前から行っていた石垣の修復工事で19日、積み直ししていた石の最後の一つが石垣に戻された。表面の膨らみなどが解消され、美しい曲線を描く約100年前の姿を取り戻した。 石垣の修復は明治時代の崩落に伴う1915(大正4)年の改修以来。昭和後期以降の調査で、本丸東面の石垣が膨らんだり、傾いたりして地震で崩落する危険性があったため、市が事業主体となり、2017年4月から石2185個の解体と積み直しを行っていた。 19日は最後に残された高さ約45センチ、重さ306キロの石がクレーンで引き上げられ、ゆっくりと天守台北面の空白部分にはめ込まれた。その後、石工が他の石としっかりとかみ合うように、バールなどで位置を微調整。7年8カ月にわたる修復工事が終了した。 作業を見守った桜田宏市長は「無事に最後の一石を積み直す作業ができ、安心している。ずっとはらんだ状態を見ていたので、非常に美しいなというのが第一印象。石工の方々に感謝したい」と述べた。 今後は天守基礎に耐震工事を施し、26年度には天守を解体せずに動かす「曳屋(ひきや)」で本来の位置に戻す。