【1500軒以上を片づけたプロが教える】キッチンを快適にしたい! 片づけ方のポイントとは?
「早くやらなければ!」とわかってるのに、ついつい先延ばしにしがちな「実家片づけ」は、“親が元気なうちに取り組むことが何よりも大切”というのは、最新刊『「介護」「看取り」「相続」の不安が消える! 実家片づけ』を出版した、片づけアドバイザーの石阪京子氏。実家に溢れるモノを整理し、お金を把握することで、親子ともに幸せになれるそのノウハウを、本書から抜粋・編集してお伝えします。 ● キッチンから始める 本書でも説明しているように『実家片づけ』では、キッチンの片づけから始めるのが成功しやすいポイントです。 それは高齢者にとって、最も生活に近い場所なので、片づくことによって「快適さ」を実感しやすいからです。 では、どのようにしてキッチンを片づけていくのかご説明しましょう。 ● まずは全出し→チーム分け キッチンにあるモノを全部出したら、鍋やフライパンなどの「調理器具」、ボウルやザルなどの「下ごしらえ用品」など、チームで分けていきます。チームで分ける理由は、そのほうが要・不要を判断しやすくなるからです。 今、床に広がっているモノはとても量が多いので、そのぶん、情報量も多いです。大量の情報を一度に処理しようとすると、処理能力を超えてしまって、逆に思考停止に陥ることがあります。特にご両親は高齢なのでその可能性は高いです。 だから、小さく分けて考えましょう。チームごとに小さく分ければ、考えを巡らせる範囲が減るのでサクサク思考できます。その結果、時短になります。 また、チームで分けると、今使っているモノと使っていないモノとが明確になるのもポイント。新旧入り交じった状態だと、「要・不要」を判断しやすくなりますよ。 チーム分けをしてみると、例えばザルやボウルが大小様々、複数あることがわかったりします。いろいろな形のモノがあるためそのぶんスペースをとっています。形が違うから重ねて収納することもできず、面積を奪われているのです。 ● 別のもので代用できないか考える でも、実はそのことに気づいたらチャンスです! 親御さんに、「これ、いる? いらない?」と聞いた後に、次のような言葉を付け足してください。 「これを省略して、あれに代用したら、ぐっとスペースが減るよ」 「これに代用したら、洗い物が減ってラクになるよ」 「100均に売っている、小さいサイズのモノに買い替えたらスペースが空くよ」 通販番組のごとく、今これを決断したら、いかによい未来が待っているかを伝えるのです。 これは私が、通常のお片づけでもずっとやっていることです。 たとえば、スライサーなど、キャベツ専用とか千切り専用とかいろいろな形のモノを持っておられる方に、「貝印のコンパクトな調理器セット(www.kai-group.com/store/products/detail/14197)なら全部の機能がそろっているから、こんなにわずかなスペースに収まりますよ」ということを、スマホで商品の写真を見せながら提案したりします。 すると皆さん、「今の専用のものを全部捨ててそれに買い替えます」とおっしゃいます。このように、チーム分け→省スペースになる代用品の提案、によって捨てる決意ができるのです。本書では、このような省略と代用のアイデアを表にまとめています。ご両親に伝えるときの参考にしてみてください。 ● 大量の食器はどうすれば? お料理が好きな親御さんだと食器もたくさんお持ちかもしれません。 食器棚は買い替えることもあまりないので、子どもがいた頃や、親戚が大勢集まっていた頃と同じだけの量をそのまま保管されてることも多いのではないでしょうか。 もちろん今も来客が多く、よく使うというのならそのままでかまいませんが、そうでないなら、このタイミングで、日常的に使わない食器は、「不要」か「保留」に仕分けてしまいましょう。 もし、あなたが気に入った器があれば「懐かしい! これもらって帰ってもいい?」と聞いてみれば、喜んで手放してくださるでしょう。 今使っている食器だけにしてみたら「こんな大きい食器棚は必要ないな」「食器棚自体、もういらないかも」と思うようになるかもしれません。 大きい食器棚がなくなるだけで、キッチンやリビングがもっと広く快適に使える安全なスペースに変わります。 親御さんに、全出ししたキッチングッズの要・不要・保留を判断してもらったら「要」以外の、「不要」と「保留」に仕分けたものを、仕分け置き場にもっていきます。 *本記事は、石阪京子さんの最新刊『「介護」「看取り」「相続」の不安が消える 実家片づけ』から、抜粋・編集したものです。
石阪京子