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なぜ? 中国がインゲン豆語源の僧侶アピール  習近平国家主席の称賛きっかけに

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 江戸時代に中国から来日してインゲン豆を伝え、その語源になったとされる高僧、隠元隆琦(いんげん・りゅうき)(1592~1673年)の宣伝に中国が力を入れている。明の文化を日本にもたらし、禅宗の一派「黄檗宗」の開祖となった功績を習近平(しゅう・きんぺい)国家主席が称賛したことがきっかけだった。出身地の福建省のゆかりの寺院では大規模改修が急速に進む。観光客誘致を含む対日交流に活用する狙いだが、日本の専門家から「習指導部の権威付けが目的の宣伝工作だ」との指摘も出ている。(共同通信=石川陽一)  ▽報道陣を招待  昨年10月、記者は中国駐長崎総領事館が地元報道機関を対象に主催した取材ツアーに参加した。交通費や宿泊費など全額を総領事館が負担する「招待旅行」だったが、共同通信は一部の費用負担を申し出て、航空券代については自社で支払った。  テーマは「隠元禅師と黄檗文化」。現地では福建省外事弁公室の職員が付きっきりでガイド役を務め、4泊5日の日程で隠元が来日前に関わった寺院を巡った。今春予定される習氏訪日に向け、歓迎ムードを盛り上げる狙いもあるとみられる。

 ▽巨大石碑  隠元が来日前に住職を務めた黄檗山万福寺(福建省福清市)が、ツアー最大の目玉となった。  「隠元禅師は仏教だけでなく先進的な文化と科学技術も伝え、日本の社会と経済の発展に大きな影響を与えた」。山門をくぐると、習氏の言葉を刻んだ高さ約4メートル、横約6メートルの巨大な石碑。その威圧感に記者は思わず圧倒された。  石碑の言葉は2015年5月、北京で開かれた日中観光交流イベントに参加した日本訪問団の前でのスピーチの一部。定明(てい・めい)住職は「この発言で隠元が日本にもたらした黄檗文化への注目度が高まった」と誇らしげに語る。定住職によると、習氏は国家主席就任前の福建省勤務時代に複数回、万福寺を訪問。隠元の功績を学び、感銘を受けたという。  万福寺は1200年以上の歴史を誇るが、文化大革命などを経てほぼ廃墟と化し、最近まで本格再建の動きは無かった。ところが習氏のスピーチの翌年、福建省出身の著名実業家が約3億元(約48億円、1月21日時点)を寄付し、急速に全面改修された。広大な敷地には今、装飾された真新しいお堂が建ち並び、中には金色に輝く大量の仏像。隠元顕彰にかける関係者の力の入れようが伝わってきた。

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