柏レイソル 取材カメラマンが狙う!Jリーグ2021注目選手(5)
J2021年のJリーグがいよいよ幕を開ける。本稿では新たなシーズンに挑むJ1各チームの注目選手を2名ずつピックアップ。チームとしてのポイントも紹介する。ニュースターの誕生を期待したい。 【動画】キャンプに励む柏レイソルの選手たち
◎柏レイソル
いなくなった選手は関係ない、とはいえ、マイケル・オルンガがカタールのアル・ドゥハイルに移籍したことを無視することはできない。 オルンガが抜けた穴を埋めることは不可能だ、と考えるのは自然だ。得点王でMVPというその大きすぎる存在を忘れさせてくれる選手は簡単には現れない。いくら柏が定期的に大当たりの助っ人選手を連れてくるチームだとしても、いきなりそこに期待するのは危険だ。1人で埋められないことは前提で、それぞれの選手がより攻撃で目立てるようになることで得点力を保つことになる。 オルンガが強力すぎただけで、攻撃力はもともとある。クリスティアーノと江坂任が務める2列目の破壊力はJ屈指で、共に10ゴール10アシストすることも十分可能だ。 良い攻撃は良い守備から、2列目を活かすには3列目の安定が欠かせない。中盤はフルミネンセで主力を担っていたドッジ、ベガルタ仙台から椎橋彗也を獲得し、ヒシャルジソンと大谷秀和が揃わなかった場合の質の保持以上の補強を果たした。この4人ならば、誰が出ても2ボランチで安定した試合進行をすることができる。 オルンガの穴は1人で埋めるのではなく、チーム全体で安定度を高めることで結果的に埋まる。 守備では中村航輔が念願の海外挑戦へと旅立ったものの、予め獲得しておいたキム・スンギュがいる。不在を感じさせない試合で、柏から世界へ、の再びの実現を狙う。
■注目選手(1) FW:呉屋大翔
ポゼッションもディフェンスもドリブルもできるフィニッシャー、という現代的なフォワードのイメージがある呉屋は、YouTubeでも公開されているDAZNの番組『Jリーグジャッジリプレイ』で原博実Jリーグ副理事長が成長を促すコメントを発したように、柏の関係者以外にも期待されている存在だ。しかしそれは、オールラウンダーとしてハイレベルだから、ではない。 マルチになんでもこなせる呉屋だが、最大の特徴は点取り屋としての嗅覚だ。オフザボールでの動きでファーサイドからゴールを陥れるだけでなく、ボールが来そうなところに誰よりも早く詰めているシーンが多い。ドリブルでペナルティエリアに進入する場面も多いが、ワンタッチも含めたシュート一発で試合を決めてしまう怖さが魅力だ。 色々とできてしまうことで色々な要求をされ、それらを見事にこなしてみせる呉屋だが、今年はオルンガが抜けたことで点取り屋としての役割がより大きくなる。2019年、V・ファーレン長崎ではJ2の36試合で22ゴールを記録した。フィニッシャーとして、その生粋の得点能力がJ1の舞台でも爆発するか楽しみだ。